1996 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染者におけるウイルス抗原特異的T細胞の誘導
Project/Area Number |
08670510
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50190210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 幾夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30119028)
河崎 寛 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80280957)
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Keywords | HIV感染 / AIDA / 抗原特異的T細胞 / リウマトイド因子 / EBVトランスフォーメーション / 抗原提示細胞 |
Research Abstract |
HIV感染者ではT細胞や抗原提示細胞に障害が認められるが、長期未発症例などの検討からHIV特異的T細胞、特に細胞障害性T細胞やタイプ1ヘルパーT細胞が病気の進展阻止に重要である可能性が提起されている。また抗原特異的T細胞に対する抗原提示能はマクロファージより抗原特異的B細胞の方が高く、さらにRF産生B細胞が表面のリウマトイド因子(RF)を介して免疫複合体を取り込み種々の抗原をT細胞に提示できるという報告もある。無症候性キャリアーではRFが高頻度にみられ、AIDS症例でもIgARFがより多く認められる。このことはRF産生B細胞による抗原特異的T細胞の誘導の可能性を示唆する。そこで、本年度は様々な病態のHIV感染者末梢血リンパ球を分離し、RF産生B細胞株の樹立を試みた。 本年度の成績:1)患者リンパ球をadherent cell、T細胞を除去せずにEBVにてトランスフォームし、96穴プレートにまき、培養上清中のRF活性をELISA法でスクリーニングすると、サイトメガロウイルスや帯状疱疹ウイルスの感染症の症例では約40%のウエルにRF活性がみられた。それらのうちの5〜10%でRFを持続的に産生する株が得られた。しかし一部のCD8陽性細胞が多い症例ではEBVでトランスフォームされたB細胞の出現がみられず、EBV特異的T細胞が誘導された可能性がありT細胞の除去が必要であった。 2)限界希釈法を用いてクローニングし安定したRF産生B細胞株を樹立を試みているが、徐々にRF産生が低下したり、増殖が低下する傾向がみられ、現在細胞のHIV感染との関連を検討している。 3)研究計画にCD3とCD28分子を介したコスティミュレーションにより増殖したT細胞のウイルス感染細胞に対する細胞障害活性などの検討を追加する予定である。
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