1996 Fiscal Year Annual Research Report
脂質ホルモンによる関節リウマチ滑膜・増殖機構の解析とその制御
Project/Area Number |
08670512
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 善一郎 東京大学, 保健管理センター, 助手 (70238814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 幸雄 東京大学, 医学部(病), 教授 (10008310)
清水 孝雄 東京大学, 医学部, 教授 (80127092)
工藤 一郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30134612)
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Keywords | 顆粒分泌 / 遊走 / 貧食 / 増殖 / Src型チロシンキナーゼ / 三量体G蛋白質 / PAF |
Research Abstract |
関節リウマチ関節滑膜細胞及び炎症細胞の増殖,活性化の機構を理解し各段階を制御することが本研究の目的である。本年度までの研究から以下のことが明らかとなった。 (1)顆粒分泌、遊走、貧食機能とSrc型チロシンキナーゼの連関:9種類のSrc型キナーゼは種々の組織分布を呈し、一つの細胞に複数のメンバーが発現しているので下流の生物機能との連関を知るには全てのメンバーの機能を抑制する必要がある。共通のC-末端チロシンをリン酸化し機能を負に制御する分子、C-末端Srcキナーゼ(Csk)、機能高進型Csk、優勢抑制型Cskを炎症細胞に導入し以下の様な新たな知見を得た。 (i)Src型キナーゼは抗原受容体によるキナーゼ連鎖、カルシウム上昇、分泌機能の開始に必須である。(ii)Cskは活性化されたSrc型キナーゼの反応を終焉させる機能を持つ。(iii)Src型キナーゼはインテグリンを介する接着には必須でないが、その後のFocal Contactへの機能分子及びF-アクチン集合、機能的なPodosome生成に必須であり、Srcを抑制すると細胞は遊走しない。(iv)Fc受容体を介する貧食機能にSrcのキナーゼ活性は必須である。 このように滑膜炎症に重要な炎症細胞の動的機能とSrc型キナーゼの関係が明瞭になった。 (2)細胞増殖と三量体G蛋白質 炎症性アゴニストの代表としてPAF受容体機能の解析を行い以下のことを明らかにした。現在、活性型G蛋白質サブユニットをアデノウィルスベクターに組み込み、滑膜細胞初代培養系を用いたさらなる解析をしている。(i)三量体G蛋白受容体はRaf-MAPKK-MAPK、PI3キナーゼ、FAK、Syk等の増殖シグナルを媒介する分子群を活性化するが、幾つかの細胞では上流因子である低分子量G蛋白質Rasの活性化を伴わない。(ii)炎症性アゴニスト受容体の増殖機能にはGiのみでは無くGq型G蛋白質を経る機能が増殖に深く関与する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Waga I.他: "Micro-trap phospnorylation assay of mitogeu-activated protein (MAP) kinase to detect their activation by lipopolysaceharide" J.Immunol.Methods. 28. 71-77 (1996)
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[Publications] Honda R.他: "Mutant Insulin receptor substrate-L incapable of activating PI3-kinase did not mediate insulin-stimulated maturation of Xenopus laeuis oocytes." J.Biol chem.271. 29677-29681 (1996)
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[Publications] Hirose N.他: "Srefanily protein tyrosine kinase-dependent and-independent signaling in murine macropnape" Arthrotd.Rheum.39. S312-S312 (1996)