1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトIL-12レセプターに対する単クローン抗体の樹立とその機能解析
Project/Area Number |
08670514
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河崎 寛 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80280957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50190210)
森本 幾夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30119028)
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Keywords | 分子生物学 / 免疫学 / サイトカイン / 受容体 / シグナル伝達 / 単クローン抗体 / PCR |
Research Abstract |
シグナルトラップ法によりヒトIL-12受容体β1鎖(IL-12R)に対する単クローン抗体を作成した。つまりヒトCD25遺伝子のシグナル部位をIL-12R遺伝子のシグナル領域+細胞外領域遺伝子にて置換し、マウス細胞に発現させた。発現は抗CD25抗体にて確認し免疫原とした。IL-12によるT細胞増殖反応系において機能的に中和性、非中和性の各種のクローンをえた。抗体による標識IL-12の結合阻害実験の結果もinvitro増殖反応系の結果と一致した。抗体を用いてIL-12及びIL-12Rについて以下の知見を明らかにした。(1)IL-12に対するT細胞の反応には単球など抗原提示細胞の存在を必要とした。またその抗CD2抗体、抗CD58抗体いづれによっても阻害された。つまりT細胞CD2と単球CD58の相互作用がIL-12によるT細胞活性化に必須と考えられた。(2)IL-12に対するT細胞の反応はIL-4により抑制され、またγIFNにより亢進した。しかしながらIL-12、γIFNいづれもT細胞のIL-12R発現レベルには影響を及ぼさなかった。(3)ヒトT細胞において抗IL-12R抗体によりIL-12Rと共沈する85kDの蛋白を見いだした。これはIL-12刺激により速やかにチロシンリン酸化され、少なくともPIキナーゼや既知のJak,Stat分子とは異なった。IL-12/IL-12R情報伝達系を解析するうえで興味深い分子と考えられた。(4)なおシグナルトラップ法を用いてトロンボポエチン受容体に対する単クローン抗体作製にも成功した。検知の手段のない膜蛋白の発現に、シグナルトラップ法は有力な手段である。
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[Publications] Gollob,JA: "Molecular Interaction Between CD58 and CD2 Counter-Receptors Mediates the Ability of Monocytes to Augment T cell Activation by IL-12" Journal of Immunology. 157. 1886-1893 (1996)
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[Publications] Gollob,JA: "Interferon-γ and interlcu kin4 regulate T cell interleu kin-12 responsiveness through the differentiol modulation of high-affinity IL-12R" European Journal of Immunology. 27. 647-652 (1997)
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[Publications] Kawashima,T: "Interleukin-12 induces phosphorylation of 85kd cell surtace protein associated with the Interleukin-Blsubunit." Cellular Immunology. (印刷中). (1998)
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[Publications] Abe,T: "Surrogate Thrombopoietin Receptor" Biochemical et Biophysical Research Communication. (印刷中). (1998)