1996 Fiscal Year Annual Research Report
本態性高血圧症における血管運動中枢異常に関する研究
Project/Area Number |
08670515
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森瀬 敏夫 金沢大学, 医学部, 講師 (40191027)
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Keywords | 高血圧 / 血管運動中枢 |
Research Abstract |
1)「血管運動中枢の圧迫の有無の検討」:EHT(EHT)20名、二次性高血圧症患者(アルドステロン症2名、腎血管性高血圧症3名、妊娠中毒症4名、クッシング症候群2名、腎実質性高血圧症5名;計16名)、正常血圧者各20名についてMRアンジオグラムにて血管運動中枢の近傍血管による圧迫の有無を検討した。その結果EHTでは76%、正常血圧者では18%、二次性高血圧症では7%に圧迫が観察された。本態性高血圧症における圧迫血管はL-PICA38%,R-PICA18%,L-VA13%,これらの二本以上によるもの13%であった。左右の頻度は左74%,右26%と左に多い傾向があった。長期羅患期間のある腎実質性高血圧症で血管運動中枢の圧迫が一例もなかったことから、この現象は高血圧症の結果ではなく、むしろ病因となっていることが推測された。 2)「高速フーリエ解析による自律神経活動の評価」:血管運動中枢の圧迫により自律神経活動がどの様に変化するかを心拍変動のFFT解析により検討した。解析は心電計により採取した心拍変動をAD変換器で変換後NECPCに入力し自作のプログラムにより解析した。今年度は基礎データの集積のため、正常人のデータ収集と、スペクトル解析の方法の検討を行った。解析方法は、MEMとFFTのうち、FFTを用いて行った。本法により、3種の周波数ピークが得られ、low peakは血管運動中枢の活動を反映することが確認されているので、このlow peakを用いて自律神経活動を評価した。その結果、正常人では年齢とともに全ピークとも低下することが見いだされ、今後の検討には年齢による補正が必要であることが明らかにされた。
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