1996 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチ滑膜病変部に発現されるインターロイキン12に関する研究
Project/Area Number |
08670518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山村 昌弘 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (80252956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 賢一 岡山大学, 医学部, 助手 (00243452)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / インターロイキン-12 / Th1型反応 |
Research Abstract |
平成8年度の主な研究実績は、慢性関節リウマチ(RA)の病変部位である滑膜でのインターロイキン-12(IL-12)の発現と、IL-12の滑膜でのINF-γ優位なTh1型反応の維持への関与を明らかにしたことである。 1.RA滑膜病変部におけるIL-12発現の増強 (1)RA患者の関節液、血清中のIL-12p40およびp70の蛋白濃度は、対照とした変形性関節症(OA)に比較して有意に増加していた。現在ELISA測定系におけるリウマトイド因子の干渉について検討中である。(2)RA滑膜ではIL-12p40のmRNA発現が検出されたが、OAではp40mRNAは検出感度以下であった。(3)RAの滑膜分離細胞の無刺激下のIL-12p70蛋白産生は、OA滑膜細胞に比較すると増強していた(平均20.3±4.3 vs 7.2±2.6pg/ml)。(4)免疫組織染色法による検討では、RAの滑膜組織の陽性細胞は主に表層下に認めた。OAでは陽性細胞は稀であった。(5)RA滑膜より継代化した線維芽細胞は、IL-1またはTNF-αで刺激した場合でも、IL-12p40mRNA発現およびIL-12p70蛋白産生は認めなかった。従って、マクロファージ系細胞がRA滑膜でのIL-12の主な産生細胞と考えられるが、現在さらに分離した滑膜マクロファージの産生を検討中である。 2.IL-12のRA滑膜でのTh1型反応維持への関与 (1)RAの滑膜T細胞の増殖はIL-12により濃度依存性に増強されたが、IL-2、IL-15に比較するとその作用は弱かった。(2)RA滑膜分離細胞の培養において、IL-12はT細胞サイトカイン中IFN-γを選択的に増強した。現在RA滑膜細胞をIL-2で2週間培養後得られるT細胞を用いて、IL-12のIFN-γ産生Th1クローンの維持に及ぼす影響について検討を始めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshitaka Morita: "A Role of Interleukin-12 in Perpetuating Th1 cell-mediated Immune Responses in Rheumatoid Arthritis" Arthritis & Rheumatism. 39・9. S128- (1996)
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[Publications] 山村 昌弘: "サイトカイン発現からみた慢性関節リウマチ(RA)の病因・病態の成立機構:RAはTh1 cell-mediated autoimmune diseaseか?" Biotherapy. 10・10. 1267-1271 (1996)