1997 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線で刺激される蛋白キナーゼJNK-1のSLEにおける病因的意義
Project/Area Number |
08670529
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Research Institution | SAITAMA MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
天野 宏一 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00175928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 勤 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (50179610)
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Keywords | 紫外線 / JNK-1 / SLE / リンパ球 / シグナル伝達 / アポトーシス |
Research Abstract |
対象と方法 全身性エリテマトーデス(SLE)患者10例(うち光線過敏症の既往があるもの5例)とコントロールとして健常人5例を対象とし、これらのヘパリン加末梢血よりリンパ球を分離した。1×10^6/mlのT細胞浮遊液5mlをPetri dishに移し、UVランプ上で、波長302nm、強度8mw/cm^2のUVを30秒間照射。残り5mlは非照射コントロールとして用いた。 1)モノクロナール抗体Apo2.7を用いて、アポトーシスに陥るリンパ球の割合を調べた。 2)UV照射T細胞をNP40で溶解し、ウエスタンブロット法を用いてJNK-1蛋白のリン酸化をみた。JNK-1蛋白は抗JNK-1抗体による免疫ブロット法で確認した。 結果 1)30秒のUV照射によって健常人リンパ球の10%がアポトーシスに陥った。SLEのリンパ球では5秒のUV照射で10%のリンパ球がアポトーシスに陥り,30秒のUV照射ではほぼすべてのリンパ球がアポトーシスに陥った。光線過敏症を有するSLEのリンパ球では,5秒のUV照射でさらに高率にアポトーシスに陥った。 2)UV照射によってT細胞のJNK-1蛋白はリン酸化された。その程度は光線過敏症を有するSLEのT細胞で高い傾向にあった。 考察 光線過敏症を有するSLE患者T細胞は、UV照射によりアポトーシスに陥りやすく、その過程にJNK-1蛋白のリン酸化の亢進が関与していることが示唆された。
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