1996 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母を用いた遺伝性大腸癌の新しい遺伝子診断法の開発
Project/Area Number |
08670549
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石岡 千加史 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (60241577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金丸 龍之介 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (70152783)
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Keywords | 遺伝子診断 / HNPCC / hMLH1 / APC |
Research Abstract |
1.DNAミスマッチ修復遺伝子およびAPC遺伝子の診断システムの開発 (1)ヒトDNAミスマッチ修復遺伝子の診断システムの開発 ADHプロモーターによって発現する各種hMSH2,hMLH1,hPMS2発現ベクターを作成した。このうちhMLH1を野生型出芽酵母に発現した場合、酵母のミスマッチ修復系が競合阻害されることが判明、診断用アッセイの指標になる可能性が示された。酵母のミスマッチ修復系の異常を検出するための新しいマーカーとして、GT繰り返し配列をLacZ遺伝子の翻訳開始部位の下流に挿入したリポーターベクターを開発した。hMLH1発現ベクターを改良し、hHLH1PCR断片を容易に酵母に発現できるgap repair systemを開発した。このgap repair systemと新しいリポーターベクターを用いて、遺伝性非ポリ-プ性大腸がん(HNPCC)家系から見つかった既知のhMLH1変異(9種類)について、酵母ミスマッチ修復系の競合阻害性について検討、9種類の変異のうちミスセンス変異を含む8種類の変異はこの競合阻害性を示さず、正常hMLH1と区別できた。 (2)PGKプロモーターによってAPC遺伝子断片を発現するプラスミドを複数作成した。各種APC断片の下流に各種マーカー遺伝子を挿入し、APC断片とマーカー遺伝子から翻訳される融合タンパク質を酵母に発現させた。その結果、URA3遺伝子と融合した場合に、URA3機能が保持されることが判明し、アッセイ用ベクターとした。(1)同様にAPCPCR断片を容易に酵母に発現できるgap repair systemを開発し、既知のAPC変異(そのほとんど全てが、ナンセンス変異やフレームシフト変異である)についてアッセイした。その結果、全ての変異APC断片を挿入した場合、URA3融合タンパク質が発現せず(Ura-)、正常APC断片(Ura+)と区別できた。 2.臨床検体の収集および目的遺伝子断片の増幅 遺伝性大腸癌の患者検体(末梢血液)を収集し、核酸(RNA,DNA)を抽出、PCRにて目的遺伝子を増幅し、上記(1),(2)のアッセイ系を用いてhMLH1およびAPC遺伝子変異について検索した。その結果、これまでに1家系のhMLH1のミスセンス変異および8家系のAPC変異を同定している。また、APC変異の検出ついては(2)のアッセイは発症前診断にも有用であった。現在さらに家系を収集してアッセイ系の有用性について検討している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Chikashi Ishioka: "Detection of heterozygous truncating mutations in the BRCA1 and APC genes by using a rapid screening assay in yeast." Proc. Natl. Acad. Sci., USA. (in press). (1997)
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[Publications] Li-Qun Jia: "Screening of the p53 status of human cell lines using a yeast functional assay." Molecular Carcinogenesis. (in press). (1997)
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[Publications] Chikashi Ishioka: "Oligom erization is not essential for growth sppression by p53 in p53-deficient osteosarcoma Saos-2 cells" Biochem. Biophys. Res. Commun.(in press). (1997)
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[Publications] Domenico Delia: "Dissociation between cell cycle arrest and apoptosis can occur in Li-Fraumeni cells heterozygous for p53 gene mutations." Oncogene. (in press). (1997)