1996 Fiscal Year Annual Research Report
各種肝疾患におけるTelomerase活性とTelomere長の測定
Project/Area Number |
08670557
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今関 文夫 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (40223325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横須賀 収 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (90182691)
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Keywords | 肝細胞癌 / 慢性肝疾患 / Telomerase活性 / Telomere長 |
Research Abstract |
肝細胞癌26例の癌部と非癌部および、20例の非坦癌慢性肝疾患の凍結肝組織より抽出したCell extractを用いTRAP法でTelomerase活性を測定した。また同じ検体より抽出したDNAを用いSouthern blot hybridization法でTelomereの長さを測定した。Telomerase活性は癌部では22/26(85%)に認められたのに対し、非癌部では3/26(12%)、非坦癌慢性肝疾患では1/20(5%)にしか認められなかった。活性の強さを-、+、++、+++と半定量的に検討すると、癌部では17/22(77%)が++以上であったのに対し、非癌部および非坦癌慢性肝疾患では陽性4例すべてが+で弱い活性しか見られなかった。腫瘍径別にTelomerase活性をみると3cm未満6/6(100%)、3〜5cm4/5(80%)、5cm以上12/15(80%)の陽性率であり、癌の早期から陽性化すると考えられた。Telomereの平均長は正常肝、慢性肝炎、肝硬変および肝細胞癌では各々7.3【.+-。】1.4,6.5【.+-。】1.4,6.4【.+-。】0.6,6.0【.+-。】3.5kbであった。また肝癌では癌部のTelomere長がその非癌部より短いのが44%、同じのが39%、長いのが17%に見られた。ほとんどの肝癌に早期から強いTelomerase活性がみられ、またTelomere長も約2/3の症例で癌部と非癌部が異なっていることから、これらのマーカーは肝癌の診断に有用であると考えられた。
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