1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミンH2受容体機能の自己応答性調節の分子機構
Project/Area Number |
08670559
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅野 健太郎 東京大学, 保健管理センター, 助教授 (60179116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福嶋 康之 東京大学, 医学部・(病), 医員
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Keywords | ヒスタミンH_2受容体 / 脱感作 / 人工変異遺伝子 / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
CHO細胞に発現させたH2受容体を用いて、自己応答性の受容体機能調節機構について以下の検討を行い新たな知見を得た。 (1)H2受容体活性化に伴って細胞内情報伝達系として、cAMP-Aキナーゼ系、Cキナーゼ系が活性化するが、これらの経路は種々のCキナーゼ活性化薬や阻害薬を用いた検討から、cAMP反応の増強に働いていること、Cキナーゼ系活性化の程度によって受容体脱感作の抑制や逆に脱感作の方向にも働くことから、H2受容体情報伝達系がこれまで考えられている以上に複雑な相互作用をしていることを明らかにし英文論文として報告した。 (2)受容体脱感作と受容体の細胞内移動との関係を調べるために、受容体C末端側の種々の長さの欠損遺伝子を作成してそれらを各々発現させ、受容体の脱感作と細胞内移動との関係を検討した。その結果受容体C末端の特定部位が細胞内移動に関係していることが明らかとなった。一方脱感作現象はC末端欠損変異受容体でも認められるためこれに関与する受容体機能部位は別に存在する可能性が高い。これらの知見は、昨年国際学会に報告し、現在論文投稿中である。 (3)H2受容体N末端タグ標識C末端欠損受容体とともに正常受容体を共発現させ、C末端に対する受容体抗体による免疫沈降を行うと両者がともに回収されることから、H2受容体が2量体以上の多量体として機能している可能性があるというこれまでG蛋白質共役型受容体ではあまり報告されていない新たな知見を見いだし、現在論文として投稿中である。
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[Publications] Y.Fukushima et al.: "Interaction between the two signal transduction of the histamine H_2 recepfor" Biochem.Journal. 320. 27-32 (1996)
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[Publications] 福嶋康之・菅野健太郎: "ヒスタミンH_2受容体分子構造の解析" 日本臨床. 54(4). 1144-1148 (1996)
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[Publications] 福嶋康之他: "ヒスタミンH_2受容体刺激のクロストーク" Therapeutic Research. 17(suppl1). S213-S219 (1996)
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[Publications] 菅野健太郎: "ヒスタミンH_2レセプター" G.I.Research. 4(4). 118-119 (1996)
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[Publications] 菅野健太郎他: "消化性潰瘍研究における分子生物学" 消化性潰瘍-基礎と臨床. 15(1). 4-18 (1996)
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[Publications] 菅野健太郎: "胃酸分泌とプロスタグランジン" G.I.Research. 4(5). 489-494 (1996)
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[Publications] 菅野健太郎(分担執筆): "Annual Review 消化器1997" 中外医学社, 338 (1997)