1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670560
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 真 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (00183236)
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Keywords | 肝癌 / VEGF / 血管新生 |
Research Abstract |
肝癌の血管新生にVEGFが関与しているかを検討した。ノーザンブロット法及び免疫組織染色法により検討したところ、肝癌組織が肝癌細胞株において、VEGFの強い発現をみとめ、肝癌血管新生へのVEGFの関与が示唆された。又、ウエスタンブロッティング法にて、肝癌細胞株からのVEGFの分泌が確認された。VEGFのレセプター(flt)の発現は、肝癌部では無く、肝非実質細胞で強い発現をみとめた。これらの結果から、肝癌の血管新生は、オートクライン機構ではなく、パラクライン機構でおこり、肝癌の増殖に関与していると考えられた。又、VEGFが肝で強く発現する様なトランスジェニックマウスを作成し、現在解析中である。又、VEGF遺伝子のノックアウスマウスの作成を準備中である。 一方、血管新生を抑制するアンギオインヒビンが、肝癌の新しい治療薬となりうるかをウッドチャック肝癌の系を用いて検討した。局所投与及び全身投与で腫瘍の縮小効果があることが確認された。又、肝動脈を介しての栓塞療法でも効果のあることが判明した。 以上、肝癌の血管新生へのVEGFの関与が強く示唆され、又、血管新生抑制物資であるアンギオインヒビンが、肝癌の新しい治療薬となりうることが考えられた。今後はVEGFをブロックすることにより、肝癌の治療が可能とならないかを検討する予定にしている。
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[Publications] Hideaki Miura, Shin Ohnishi et al.: "Increased Expression of VEGF in Human Hepatocellular Carcinoma" Journal of Hepatology. Vol.27-5. 854-886 (1997)
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[Publications] Masahiko Kuroda, Shin Ohnishi et al..: "Co-localization of VEGF and Insulin in Pancrlatic Islet cells" Journal of Clinical Endocnirolosy and Metabolisn. Vol.80-11. 3196-3200 (1995)