1996 Fiscal Year Annual Research Report
肝微小転移モデルにおける.TNFの誘導体遺伝子導入腫瘍ワクチンの治療効果の検討
Project/Area Number |
08670570
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
樋口 清博 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (00135021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 清二 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (70126522)
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Keywords | Lac Z遺伝子 / 微小癌転移 / TNFα誘導体 / 腫瘍ワクチン |
Research Abstract |
今年度は、微小肝癌治療に先駆け、副作用を軽減する目的で開発された新しいTNF誘導体(F4614)肝癌細胞株に対するin vivoでの抗腫瘍効果メカニズムの検討と肝癌細胞株へのTNF誘導体の導入を試みた。マウス肝癌株(MH134)をマウウの皮下に接種後、5日間連日腫瘍内に5μgのF4614を投与し、その退縮の経過を免疫組織学的、細胞障害試験により解析した。また3種のヒト肝細胞癌株(HuH-7,PLC,Hep-3B)、ヒト胆管細胞癌株(HuCC-T1)にTNF誘導体遺伝子導入のためのベクターの設計に着手した。 マウスでの抗腫瘍効果の検討では、F4614の腫瘍内投与によりTNF群と同程度に皮下腫瘍の有意な発現抑制を認めた(抑制率:50〜66%).F4614の腫瘍内投与を行なった一部のマウスで腫瘍は、完全退縮し,MH134の再投与にて腫瘤を形成しなかった.F4614投与群では投与24時間以内に腫瘍の出血壊死が生じ、1週後よりCD4、CD8陽性のリンパ球の浸潤が認められた。また細胞障害検査ではMH134に対する特異的な障害能の獲得は認められなかったが、有意なNK活性の増加が確認された。以上より、この新しいTNF誘導体は肝癌治療に有用であることが示唆された。 現在TNF誘導体遺伝子導入を有効なベクターを設計している。今後は、マーカー遺伝子(Lac-Z遺伝子)を組み込んだ培養癌細胞株を用いて我々が開発したマウスの微小癌モデルにおける、F4614腫瘍ワクチンの治療効果を検討する予定である。
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