1997 Fiscal Year Annual Research Report
CGHを用いた消化器癌の癌関連遺伝子発現異常について-病理組織および臨床経過との関連-
Project/Area Number |
08670606
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
富永 静男 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30237127)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 信夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (60089951)
|
Keywords | CGH / 癌関連遺伝子 |
Research Abstract |
1.横浜市立大学医学部第2外科,稲田登戸病院,藤沢市民病院より供与された33症例の胃癌切除標本についてCGH(Comparative Genomic Hybridization)を用い,遺伝子発現異常について検索し,その結果胃癌細胞の分化度(分化型,未分化型),進行度(stage分類)により,遺伝子異常に相違があることが示唆された.この結果については,平成8年度第93回日本内科学会講演会および平成8年度第82回日本消化器病学会総会にて発表し,Clinical Cancer Research(vol.3:1067-1076,1997)に掲載された. 2.横浜労災病院内科,東北大学医学部病理学等により供与された37症例の副腎腫瘍についてもCGHを用いた遺伝子異常検索を行ない,悪性度およびホルモン産生能の違いにより遺伝子発現異常に相違があることが示唆された.この結果については厚生省特定疾患内分泌系疾患調査研究班分科会副腎ホルモン産生異常症調査研究班平成8年度公開講座,平成9年度第94回日本内科学会講演会,平成9年度第70回日本内分泌学会学術総会,厚生省特定疾患内分泌系疾患調査研究班分科会副腎ホルモン産生異常症調査研究班平成9年度公開講座にて発表し,Clinical Cancer Researchに投稿中である. 3.現在,内視鏡的に採取した,胃腺腫やH.pylori感染粘膜,悪性リンパ腫,大腸ポリ-プ等についてもCGHを用いた遺伝子発現異常の検索を開始している.この結果と上記の胃癌および副腎腫瘍での結果を総括,検討し,遺伝子診断への応用について検討する予定である. 4.CGHを用いた胃癌および副腎腫瘍の結果より,未知の癌関連遺伝子の存在が示唆された領域については,クローニングを含めた遺伝子の構造・機能の解析を開始する予定であり,現在準備中である.
|
Research Products
(1 results)