1996 Fiscal Year Annual Research Report
活性型K-ras遺伝子を標的とした遺伝子治療の基礎的検討
Project/Area Number |
08670627
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
加川 建弘 東海大学, 医学部, 講師 (30245469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 有博 東海大学, 医学部, 助手 (40266391)
西崎 泰弘 東海大学, 医学部, 助手 (80237693)
渡辺 勲史 東海大学, 医学部, 助教授 (90167156)
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Keywords | 膵癌 / アンチセンス / 遺伝子治療 / K-ras遺伝子 |
Research Abstract |
1.活性型K-ras遺伝子を有する膵癌細胞株の樹立 60才、女性の膵癌患者腹水中より膵癌細胞株Pca-Sを樹立した。この細胞よりDNAを抽出,K-ras遺伝子コドン12、13、61に特異的なプライマーを用いてPCRにて増幅した後、オリゴヌクレオチドプローブを用いて変異の有無を検討した。その結果、K-ras遺伝子コドン12にGGTからGTTへのpoint mutationを認め、GlyからValへのアミノ酸置換があることが判明した。 2.アンチセンスオリゴヌクレオチドの細胞増殖に対する影響 K-ras遺伝子のコドン12のpoint mutation部位を中心として、15merのホスホロチオエ-ト柄アンチセンスオリゴDNAを数種類作製した。リポフェクチンを用いてPca-S細胞培養液中に10mMの濃度で添加し、細胞増殖に対する影響を検討した。コントロールとしてセンスDNA、野性型K-ras遺伝子に対するアンチセンスオリゴDNAを用いた。point mutationに特異的なアンチセンスオリゴDNAではコントロールに比し、有意に細胞増殖が抑制された。さらにras蛋白であるp21に対する抗体で免疫組織化学的検討を行い、ras蛋白の発現が低下していることが確認された。 3.今後の展開 in vivoの系で検討する。すなわちヌードマウスにPca-Sを移植し、アンチセンスオリゴの投与によって、腫瘍の増殖が抑制されるか検討する予定である。
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