1996 Fiscal Year Annual Research Report
慢性エンドトキシン投与下肺好中球集積に対する血小板の関与-一酸化窒素NOの役割について-
Project/Area Number |
08670641
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中野 剛 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (80250455)
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Keywords | エンドトキシン endotoxin / 血小板 platelet / 一酸化窒素 nitric oxide |
Research Abstract |
【目的】 ラットに持続的にエンドトキシンを投与した場合,血小板が正常にある群は抗血小板抗体を用いて血小板を減少させた群に比較して,ミエロペルオキシダーゼ活性でみた肺への好中球集積が6時間では差がないが,24時間では有意に減少していた.いいかえると,血小板があるほうが肺へ好中球が集積するのを抑制していた.最近,血小板から放出された一酸化窒素NOが好中球の細胞接着因子の発現を修飾することがin vitroで報告されている.今回,血小板があるほうが肺へ好中球が集積するのを抑制するという事実が血小板から放出された一酸化窒素NOと関係はないかどうか,同じモデルで一酸化窒素NO産生の間接的パラメーターである尿中のcGMP, NO2/NO3の測定,eNOSの分布を免疫組織学的手法により検討することなどにより明らかにする. 【今年度の実施結果】 ラット16匹を以下の4群に分けた.C:コントロールの非感作ウサギ血清のみ投与(n=4), A:抗血小板抗体を投与(n=4), C+E:コントロールの非感作ウサギ血清を前投与しさらにエンドトキシン0.1mg/kg/hを24時間持続投与(N=4), A+E:抗血小板抗体を前投与しさらにエンドトキシン0.1mg/kg/hを24時間持続投与(n=4),において,血清NO2/NO3は154±35SD, 167±38, 640±123, 721±112μM,尿中NO2/NO3は1961±381, 1835±431, 5223±632, 5677±783nmol,尿中cGMPは18.4±3.8nmol, 16.3±3.1, 38.7±11.2, 42.4±9.6,とC+E群,A+E群で有意差を認めなかった.eNOSの分布を免疫組織化学的手法により検討したが,C+E群,A+E群とも気道に強い分布が認められるものの有意な差は認めなかった. 【結論】血小板があるほうが肺へ好中球が集積するのを抑制する効果における一酸化窒素の関与は少ない.
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