1996 Fiscal Year Annual Research Report
月経期喘息(Menstrual asthma)の発症機序に関する研究
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08670645
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大類 孝 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90271923)
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Keywords | 気管支喘息 / 月経期喘息 / プロゲステロン / エストローゲン / ブラウンノルウェーラット / 抗原チャレンジ / 遅発型喘息反応 / 好酸球浸潤 |
Research Abstract |
研究成果;月経に関連した気管支喘息の急性憎悪、即ち月経期喘息の発症機序を明らかにすべく以下のような研究を行った。 1.女性ホルモン調節可能ラットの作成;雌のBNラット(7週令)を卵白アルブミンで感作後、全麻下に両側卵巣摘除術を施行し、内因性のエストローゲン、プロゲステロンを枯渇させ膣スメアによってその効果を確認した。その後、エストローゲン10μg補充群、エストローゲン+プロゲステロン500μg補充群、ホルモン非補充群の3群に分類した。 2.女性ホルモンの喘息反対に対する効果;上記3群のラットにおいて、感作成立後にウルトラブライザーで経気道的に抗原(卵白アルブミン)を暴露し、経時的に気道内圧を測定し、即時型および遅発型喘息反応(LAR)の発現を観察した結果、エストローゲン+プロゲステロン補充群でLARの発現が抑制されることが明らかにされた。(抗原チャレンジ8時間後の気道内圧:エストローゲン群363±32%ベースライン、エストローゲン+プロゲステロン群163±25%ベースライン、p<0.05)。 3.抗原暴露後の炎症性細胞浸潤に対する女性ホルモンの効果;エストローゲン+プロゲステロン群で抗原暴露8時間後の肺胞気管支洗浄夜中の好酸球数が有意に減少しており(0.8±0.1×10^4/ml、p<0.05)、プロゲステロンの効果ではないかと考えられた。 以上の結果より、女性ホルモンのうちプロゲステロンが抗原暴露後の気道内への好酸球の浸潤を抑制し、遅発型喘息反応の発現を抑制しているのではないかと考えられた。通常の月経の発現が、プロゲステロンの急速な低下により引き起こされることより、月経期喘息に血中プロゲステロンの減少が関与しているのではないかと考えられた。各群のnが少ないため今後更なる検討を必要とする。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T. Fynayama, K. Sekizawa, M. Yamaya, K. Yamauchi, T. Ohrui et al.: "Role of leukotrien degrading enzymes in pulmonary response to antigen infusion in sensitized guinea pigs in vivo." American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology. 15. 260-267 (1996)
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[Publications] P. Arthur, K. Sekizawa, M. Yamaya, T. Ohrui et al.: "Effects of adrenomedullin and calcitonin gene-related peptide on airway and pulmonary vascular smooth muscle in guinea-pigs." British Journal of Pharmacology. 119. 1477-1483 (1996)