1996 Fiscal Year Annual Research Report
新しい慢性気道感染症モデルによる発症機序の免疫学的分子生物学的解析
Project/Area Number |
08670668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮原 嘉之 長崎大学, 医学部附属病院, 講師 (20253643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝野 和典 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (40202204)
河野 茂 長崎大学, 医学部, 教授 (80136647)
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Keywords | 慢性気道感染症 / 緑膿菌 / バイオフィルム / マクロライド / 動物実験 |
Research Abstract |
慢性気道感染症の発症機序を解析するために、新しく開発した慢性気道感染症モデルを用いて、肺組織に集積したリンパ球の解析を行った。肺内リンパ球数は菌接種後7日目に菌接種前と比し、3倍程度まで増加し、以後120日目まで高値をとった。同時に肺内リンパ球の表面マーカーをFACScanにて解析したところ、リンパ球のCD4+/CD8+比は低下しており、120日目まで低値のままであった.この結果は当教室における慢性気道感染症患者の気管支肺胞洗浄液の解析結果と極めて類似するものであり、本モデルが臨床における慢性気道感染症の病態を反映しているものと判断された。 14員環系マクロライド薬の慢性気道感染症与える効果を検討したところ、クラリスロマイシン投与により、肺内リンパ球の減少傾向並びにCD4+/CD8+比の回復傾向が認められた。しかしながら、ニューキノロン薬や16員環系マクロライド薬では効果は認められなかった。これらの結果も臨床において認められた結果と一致するものであった。 上記の結果より、慢性気道感染症を発症する際には、肺内リンパ球の増加とCD4+/CD8+比の低下を伴っており、14員環系マクロライド薬はそれらを回復させることが明らかになった。また、マクロライド薬の抗炎症作用には、炎症細胞に与える効果が大きく関連していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Katsunori Yanagihara: "Effect of claritnromycin on lymphocytes in chronicrespiratory Pseudomonas aerugikosa infection" Am.J.Respir.Crit.Care Med.155. 337-342 (1997)
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[Publications] 柳原克紀: "マウス気管支内留置モデルを用いたerytnromycin吸入療法の検討" 感染症学雑誌. (in press). (1997)