1997 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける家族性アミロイドーシス患者の分布と病因遺伝子の多形性に関する研究
Project/Area Number |
08670700
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
池田 修一 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (60135134)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 隆彦 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (80242692)
|
Keywords | 家族性アミロイドーシス / トランスサイレチン / 遺伝子異常 |
Research Abstract |
本年度は四川省出身の家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)患者のトランスサイレチン(TTR)遺伝子の異常を解析した。患者は36歳男性であり、2年来の多発神経炎と自律神経障害を示していた。また父親が類似な症状で46歳時に死亡していた。患者の末梢神経組織には抗TTR抗体陽性のアミロイド沈着が見られ、またmass spectrometryによる血清中のTTRのスクリーニングでは正常TTRとは異なる変異TTRのピークが見いだされた。この異常TTRピークは質量の差からFAPでよく見られるMet30TTRではないことが判明したため、血清中からTTRを抽出してTTRのアミノ酸配列を直接的に検索した。その結果、N末端から33番目のphenylalanineがvalineに置換していることが明らかとなった。このTTR変異は従来FAPでは報告のない新しい変異であり、本患者は中国人におけるFAPの臨床像・遺伝子異常の多様性を知る上で興味ある患者と考えられた。
|