1997 Fiscal Year Annual Research Report
セルロブラスミン欠損症における遺伝子異常と変異蛋白の発現・分解とその性質の研究
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08670702
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Research Institution | HAMAMATSU UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
宮嶋 裕明 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (90221613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 秀昭 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (70270981)
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Keywords | セルロプラスミン / 脂質過酸化 / 鉄 / 極長鎖脂肪酸 / 鉄キレート剤 / プルオキシゾーム / フリーラジカル / 遺伝子異常 |
Research Abstract |
セルロプラスミン欠損症(以下、本疾患という)は新たな鉄代謝異常症で、無セルロプラスミン血症と脳、肝臓をはじめとする全身の諸臓器への鉄の沈着を来す遺伝性疾患である。我々は本疾患の原因がセルロプラスミンの遺伝子異常であることを明らかにした。しかし、臨床症状の発現がどのような機序で起こるかはいまだ不明である。セルロプラスミンはそのフェロオキシダーゼ活性により血漿の強力な抗脂質過酸化作用を有しており、鉄やフェリチンは脂質過酸化を促進することが分かっている。従って、本疾患では脂質過酸化の亢進が予想され、これが症状発現に関連していることが考えられた。そこでホモ接合体3名、ヘテロ接合体8名および患者と同年代の正常コントロール12名の血漿を用いて、チオバルビツール酸反応陽性物質(TBA products)を指標に脂質過酸化を検討した。その結果、ホモ接合体では明らかに脂質過酸化の亢進が認められた。次に、脂質過酸化の亢進が膜に与える影響を調べるため、患者の赤血球膜の脂質分析を行った。その結果、C26やC26:1の極長鎖脂肪酸がホモ接合体で特異的に増加していた。本疾患ではペルオキシゾームの先天性の異常はないため、極長鎖脂肪酸の代謝の過程でフリーラジカルに障害されやすいアシルCoAオキシダーゼの障害が生じている可能性が考えられた。また、α-ヒドロキシ脂肪酸がホモ接合体で特異的に増加しており、脂質過酸化に伴う変化と考えられた。これらの結果をもとに治療の試みとして63歳の患者の同意を得て、組織内に蓄積した鉄の除去を行うため、鉄キレート剤を点滴静注で10ヶ月間用いた。その結果、組織鉄の減少とともに貧血は改善し、不随意運動の軽減、糖尿病の改善が見られた。以上より今回我々は、本疾患では鉄の蓄積やセルロプラスミンの欠損に伴う脂質過酸化の亢進が病態発現に関与していることを示すとともに、治療への応用を試みた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hiroaki Miyajima: "Late onset cliahetes mellitus in patients with hereclitary aceruloplasminemia" Int.Med.35・8. 641-645 (1996)
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[Publications] Hiroaki Miyajima: "Increased plasma lipid peroxidation in patients with aceruloplasminemia" Free Radic.Biol.Med.20・5. 757-760 (1996)
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[Publications] Hiroaki Miyajima: "Use of cleferioxamine in the treatment of aceruloplasminemia" Ann.Neural.41・3. 404-407 (1997)
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[Publications] Hiroaki Miyajima: "Increased very long-diain fatty acids in eryturocyte membranes of patients with aceruliplasminemia" Neurology. 50・1. 130-136 (1998)