1996 Fiscal Year Annual Research Report
本邦の眼咽頭筋ジストロフィーの筋病理・免疫組織化学・分子生物学的研究
Project/Area Number |
08670718
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宇山 英一郎 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (90185075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 誠 熊本大学, 医学部附属病院, 医員
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Keywords | 眼咽頭筋ジストロフィー / 常染色体優性遺伝 / 2点連鎖解析 / ハプロタイプ解析 / 14q11.2-q13 / 骨格筋筋鞘核内封入体 / 眼瞼下垂 / 嚥下障害 |
Research Abstract |
眼咽頭筋ジストロフィー(MIM164300)は,通常40歳以降に発症し,眼瞼下垂と嚥下障害を主徴とする常染色体優性遺伝性疾患である.1915年にTaylorが最初に記載し,1962年にVictorらが命名して以来,French Canadianなど欧米の白人家系のみが知られ,1祖先から世界中に広まったと考えられてきた.しかし,私共は本症の日本人家系例を,熊本,次いで静岡に見い出し,筋病理学的に本症に特異的とされてきた骨格筋筋鞘核内封入体を検索した4つの異なる筋肉に電顕にて証明した(Neurology 1996;46:773-778).最近,カナダの研究グループにより本疾患の候補遺伝子は心臓のαとβのmyosin heavy chain 14q11.2-q13上に局在することが明らかにされた.そこで今年度は,この領域のマイクロサテライト多型マーカーであるD14S50,D14S283,D14S990,MYH7.24,およびMYH7.1を用いて静岡の家系で2点連鎖解析を試みた.その結果,これら5つのマーカーすべてで,組み替え率Θ=0.00,0.01,0.02においてlod scoreはすべて3以上であったことから,日本人家系例の本症候補遺伝子の局在もFrench Canadianと同様に14q11.2-q13上に存在することが明らかにされた.この結果については,第121回米国神経学会(ANA)のWorks in Progressに採択されたので発表した(October 14,1996,Miami,USA).尚来年度は,熊本の家系を分析する予定である.
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Research Products
(1 results)