1997 Fiscal Year Annual Research Report
遠位型ミオパチー骨格筋における疾患特異遺伝子の解明
Project/Area Number |
08670719
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Research Institution | Oita Medical University |
Principal Investigator |
熊本 俊秀 大分医科大学, 医学部, 助教授 (40134936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 伸 大分医科大学, 医学部, 医員
上山 秀嗣 大分医科大学, 医学部, 助手 (20281214)
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Keywords | differential display法 / Distal myopathy with rimmed vacuoles / 骨格筋 / 特異遺伝子 / クロロキンミオパチー / flightless-1遺伝子 |
Research Abstract |
Rimmed vacuoles(RV)を伴う遠位型ミオパチー(DMRV)の成因解明のために、本症の骨格筋における疾患特異遺伝子の検索を行った。まず最初にヒトDMRV筋のサンプル量が少ないことよりその疾患モデルであるラットのchloroquine(CQ)-induced myopathyのヒラメ筋についてdifferential display(DD)法を行い数個の疾患特異性が疑われるbandsを得た。これらのbandsを抽出し、再度PCRで増幅後、TA cloning kitを用いてベクターに組み込み、クローニングを行った。Plasmid dot-blotting法により目的のcDNA fragmentに由来するか否かを確認し、dideoxy法によりインサートのシークエンスを行い、塩基配列を決定した。得られた塩基配列を基にホモロジー検索を行い、既知の遺伝子か否かを検討した。その結果CQ筋で減少したDNA fragmentにhomology searchで相同性を示した遺伝子は、titin,F-1 ATPase,cytochrome C oxidase,myosin heavy chain,flightless-1で、一方、CQ筋で増加したfragmentは、PPA2 regulatory subunit,alpha-tropomyosin,dehydroforate reductase,beta-tropomyosin,nebulin遺伝子と高い相同性を示した。この他、2種類の既知の遺伝子と相同性を示さない新規遺伝子と思われるflagmentが得られた。これらの10個の既知の遺伝子について各々プライマーを作成し、CQ筋および一部のヒトDMRV筋におけるmRNA発現量の確認をRT-PCRによって行い、GAPDHを対照にした場合、正常筋に比べF-1 ATPase,cytochrome C oxidase,flightless-1の発現量が低下していた。Flightless-1遺伝子は、突然変異の飛行不能のショウジョウバエで欠損し翼筋に筋原線維の異常をきたすことが知られており、現在、その病理学的意義の解明と共に、2種類の新規と思われる遺伝子の完全cDNAの単離を行い、疾患特異性の検討を進めている。
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