1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670723
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
坂井 文彦 北里大学, 医学部, 助教授 (60129450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 佳子 北里大学, 医学部, 助手 (80265587)
五十嵐 久佳 北里大学, 医学部, 講師 (70146398)
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Keywords | 緊張型頭痛 / 筋硬度 / 筋収縮抑制 / 慢性頭痛 |
Research Abstract |
本年度は、緊張型頭痛の病態の客観的評価法を確立することを目的とした。緊張型頭痛の病態には末梢性因子と中枢性因子とが考えられるが、最初に末梢性因子の評価法の研究を行った。そのために、我々が開発した筋硬度計を改良する目的で小型コンピュータに連結し、入力データの解析に新しい手法とプログラムを作成した。 新たに改良した筋硬度測定装置で、正常者(140例)、緊張型頭痛患者(42例)の頭頸部筋群の筋硬度を測定した。僧帽筋群の硬度は、正常者群84【.+-。】14kPa/cm(mean【.+-。】SD)で、女性(92【.+-。】14)の方が男性(76【.+-。】12)より筋硬度が高かった、筋硬度と年齢、血圧との間に相関はみられなかった。触診による筋硬度の評価を5段階スコアーで行ったが、筋硬度計による値との間に有意な相関がみられた。緊張型頭痛患者の筋硬度は114【.+-。】24と正常者群に比し有意に高値を示した。また43%の患者が正常者群の平均値+2SD(113)より高値を示した。緊張型頭痛患者群の後頸筋群での筋硬度も99【.+-。】21と正常者群(71【.+-。】13)に比して有意に高値であった。急性型と慢性型の緊張型頭痛患者群とでは有意差はみられなかった。自覚的に強い肩こりを訴えた患者の筋硬度は、自覚症状のない患者に比し筋硬度がより高値であった。 本年度の我々の研究結果は、緊張型頭痛患者では筋硬度が増加していることを示唆した。また、筋硬度計が緊張型頭痛の末梢性因子の客観的評価手法として有用なことが確認された。次年度からは、緊張型頭痛患者の治療前後での筋硬度の比較が可能となった。さらに、中枢性因子の評価法である筋電図を用いたES2を同一患者に施行し、二つのパラメータの比較を行うことができる。
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