1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670723
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
坂井 文彦 北里大学, 医学部, 教授 (60129450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 佳子 北里大学, 医学部, 助手 (80265587)
五十嵐 久佳 北里大学, 医学部, 講師 (70146398)
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Keywords | 緊張型頭痛 / 筋硬度 / 筋収縮抑制 / 慢性頭痛 / 頭痛日記 |
Research Abstract |
本年度は、慢性緊張型頭痛の病態を客観的に評価する方法として、Visual Analogue Scale方式の頭痛日誌を作成した。患者の痛みは自覚的なものであり、これを定量化することは昨年度より行っている緊硬度計あるいはES2による測定値との相関知る上で重要である。さらに、次年度に計画している治療薬の効果を客観的に評価する上でも重要なパラメータとなる。 頭痛日記は、痛みの病歴をprospectiveに評価する方法としてとらえた。日記は1ページが1ケ月分で、1週間づつ折り畳み方式とした。横軸に時刻、縦軸に痛みを0-10までのvisual analogue scaleで示した。頭痛の発現および経過を赤線で記載させ、痛み曲線を積分することにより痛みの量を定量化する事ができた。空欄に頭痛の性状、部位、随伴症状、誘因を記載させ、頭痛の質的な情報が得られるようにした。 難治性の頭痛で、1ケ月に平均15日以上を訴える患者はchronic daily headacheと呼ばれている。本年度はこの難治性頭痛群の38例を対象として検討した。発病当時からほぼ毎日頭痛がみられたものは8例、他の30例は発病時(平均23歳)は頻度が少なく、平均38歳で頭痛がほぼ毎日となった。調査時の頭痛は、慢性緊張型頭痛8例、片頭痛3例、片頭痛と緊張型頭痛の合併12例、分類不能7例であった。これらの患者の頭痛量は、頭痛の病型ごとに測定可能であったが、1ケ月の平均では、緊張型頭痛が、片頭痛より頭痛量の多い傾向があった。頭痛量と後頭筋群の筋硬度には相関がみられた。 次年度には、頭痛に対する治療薬あるいは他の方法の効果を、これまでに得られた各種パラメータで評価が可能である。
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