1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670723
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
坂井 文彦 北里大学, 医学部, 教授 (60129450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 佳子 北里大学, 医学部, 助手 (80265587)
五十嵐 久佳 北里大学, 医学部, 講師 (70146398)
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Keywords | 緊張型頭痛 / 筋硬度 / 慢性頭痛 / 筋弛緩薬 |
Research Abstract |
本年度は、緊張型頭痛の病態の指標となるパラメータにつき研究をすすめるとともに、治療薬の効果につき検討した。治療に関しての研究は、筋弛緩薬が緊張型頭痛に有効か否かを知ることを目的とした。 筋弛緩薬が緊張型頭痛に有効か否かを評価するパラメータとして、自覚症状の他、客観的評価項目として前年度までに検討を行った筋硬度計による筋硬度測定値、側頭筋の活励抑制反応(ES2)値を参考とした。筋収縮反応の調節系を考える場合、筋硬度は末梢性因子の指標、ES2は中枢性因子の指標と考えた。 前年度開発した頭痛日記を使用し慢性緊張型頭痛患者と診断した41例を対象とした。薬効の評価指標として、(1)自覚的な肩こり感、(2)触診による筋硬度、(3)後頸部・帽帽筋の筋硬度、(4)ES2の持続時間を検討した。筋硬度は、我々が開発し、初年度から改良を加えてきた筋硬度測定装置を利用した。ES2は筋電図の表面電極を使用し、筋活動の測定及び三叉神経の刺激を行った。 筋硬度は、慢性緊張型頭痛患者が109±29kpa/cmと正常群の82±12に比し有意に高値であった。ES2は頭痛群21±6が正常群の40±5に比し有意に知縮していた。頭痛患者は、中枢作用性の筋弛緩薬(塩酸エペリゾン)あるいは筋弛緩作用をもたない抗不安薬(イフィゾパム)のいづれかを1ケ月間服用した。筋弛緩薬と抗不安薬の比較では、頭痛の改善は52.9%と57.9%、筋硬度は3.8%減少と7.2%減少、ES2は79%改善と28%改善で、筋弛緩薬での改善が多かったが、両群間に有意差はみられなかった。現時点では、慢性緊張型頭痛に対する筋弛緩薬の効果は確認できなかった。データの分析から、筋硬度の高い群では筋弛緩薬の効果がある傾向がみられ、今後の検討材料となった。
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