1997 Fiscal Year Annual Research Report
単一心筋細胞を用いたNa/Ca交換機構の細胞内制御機構に関する研究
Project/Area Number |
08670778
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
寺田 肇 浜松医科大学, 医学部, 助手 (50252177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 秀晴 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教授 (50135258)
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Keywords | Na / Ca交換機構 / 再灌流障害 / Ca過負荷 |
Research Abstract |
Na/Ca交換機構の再酸素化時における役割を、モルモット摘出乳頭筋においてNa/Ca交換機構のreverse modeの特異的阻害剤であるNO-7943を用いて検討した。 1)NO-7943の低Na灌流時の拘縮に対する効果:低Na灌流によるNa/Ca交換機構のreverse modeに起因する拘縮は、対象群では、定常刺激時の収縮張力の55.6±10.7%であったが、NO-7943(10μM)は、低Na灌流による拘縮を22.6±7.5%に抑制した(mean±SE,n=6,p<0.05)。2)NO-7943の定常刺激時の細胞内電位と張力に対する効果:NO-7943は、定常刺激時の収縮張力(37.7±6.5 vs 37.4±8.1mg)、静止張力(73.4±3.5 vs 71.5±2.5mg)や活動電位の振幅(125±1 vs 123±3mV)、持続時間(140±8 vs 142±8mV)、立ち上がり速度(214±9 vs 210±9V/sec)、静止膜電位(-89±0.1 vs -89±0.6mV)に影響を与えなかった(n=4)。また、脱分極心筋のslow action potentialと収縮張力も変化させなかった(n=3)。3)Na/Ca交換機構の再酸素化時における役割:グルコースを含まない低酸素灌流液で60分間灌流後、酸素化した灌流液で乳頭筋を灌流した。再酸素化直後に、対照群では7例全例でCa過負荷による不整脈を認めたが、NO-7943の前投与により不整脈の発生は7例中4例に減少し、その持続時間も対象群の71±16.6秒に対し21.1±14.4秒に短縮した(p<0.05)。aftercontractionの振幅は、対照群では収縮張力の14.5±1.2%であったが、NO-7943により7.7%に減少した(p<0.05)。また、再酸素化30分後の収縮張力の回復も対照群の72.5±2.8%に比し、85.3+4.3%に改善した(p<0.05)。 再灌流時の不整脈や収縮不全が、Na/Ca交換機構の活性化によりもたらされることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nakamura T,Terada H et al.: "A single cell model of myocardial reperfasion injury:Changes in intracellular Na^+ and Ca^<2+> concentrations in guinea pig ventricular myocytes." Mol.Cell.Cardiol.(in press). (1998)
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[Publications] 杉山志保,寺田肇 他: "Na^+/H^+交換機構の調節における解糖系及び酸化的リン酸化の役割" 心筋の構造と代謝-1997-. 20(in press). (1998)