1996 Fiscal Year Annual Research Report
アドレノメデュリンとその関連ペプチドの臨床病態生理学的意義の解明
Project/Area Number |
08670808
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
加藤 丈司 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20274780)
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Keywords | アドレノメデュリン / PAMP / 降圧系 / 高血圧 / 腎臓疾患 / 心臓疾患 |
Research Abstract |
(1)簡便なAMおよびPAMP測定系の開発:アドレノメデュリン(AM)の異なった部位を認識する複数のモノクローナル抗体作成に成功し、これらを組み合わせることでAMのimmunoreactive rediometric assay(IRMA)を作成した。本測定法により、少量の血液で多くの検体を同時に測定することが可能となった。同モノクローナル抗体を用いて、高感度酵素免疫法(EIA)も作成している。また、PAMPの簡便かつ高感度の測定系も作成中である。一方、AM測定系改良の過程で、ヒト血中にはアミド化されてたAMとアミド化されていないAMが存在することが明かになり、高血圧患者の血中ではアミド化されていないAMが増加していることが判明した。 (2)循環器・腎臓疾患患者の血中AMおよびPAMP:高血圧、うっ血性心不全、慢性腎不全の患者の血中AMとPAMP濃度は、疾患の重症度に従って上昇しており、血中AMとナトリウム利尿ペプチド(ANP、BNP)濃度の間には、有意な正の相関関係が認められた。また、心不全患者では、血中AMと肺動脈圧、肺動脈圧楔入圧、右房圧との間にも有意な正の相関関係がみとめられ、AMが血圧の上昇や体液量の増加に対して代償的な役割を有している可能性が明かになった。 (3)血中AMおよびPAMPと治療効果・予後:前項で測定の対象となった患者の長期予後と血中AMやPAMP濃度の関係を検討すためのフォローアップを行っている。 (4)健康診断受信者の血中AMおよびPAMPの測定:我々の研究講座では、地域住民の健康増進を目的とした健康診断を行っており、平成8年度の健康診断受信者の同意を得て血中AMおよびPAMP濃度を測定した。高血圧、虚血性心疾患の発症とこれらのペプチド濃度との関係を検討するあめの追跡調査を行っている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kato J: "Plasma adrenomedullin concentration in patients with heart failure" J Clin Endocrinol Metab. 81. 180-183 (1996)
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[Publications] Eto T: "Plasma adrenomedullin and proadrenomedullin N-terminal 20 peptide in impaired renal function" Kidney Int. 49. S-148-S-149 (1996)
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[Publications] Etoh T: "Plasma proadrenomedullin N-terminal 20 peptide (PAMP) in patients with congestive heart failure" Horm Metab Res. (in press).
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[Publications] Ishihara T: "Production of adrenomedullin in human vascular endothelial cells" Life Sci. (in press).
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[Publications] Ishiyama Y: "Changes in cardiac adrenomedullin concentration in renovascular hypertensive rats" Hypertens Res. (in press).
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[Publications] Khan AI: "Hypotensive effect of chronically infused adrenomedullin in consciousd Wistar-Kyoto and spontaneously hypertensive rats" Clin Exp Pharmacol Physiol. (in press).
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[Publications] 加藤丈司: "動脈硬化+高脂血症研究ストラテジー" 山田信博、佐藤靖史編、秀潤社, 3 (1996)