1997 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈圧・流量関係から観察する慢性心不全の冠動脈動態の変化
Project/Area Number |
08670813
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Research Institution | Fukushima Medical College |
Principal Investigator |
斎藤 富善 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30235056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 修一 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20274962)
丸山 幸夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90004712)
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Keywords | 心不全 / 冠循環 / 自律神経 / α受容体 |
Research Abstract |
【目的】心不全に至る過程で、長い拡張期の冠動脈圧・流量(P-F)関係を求めることにより、自律神経系の冠循環動態に及ぼす影響について検討した。 【対象と方法】雑種成犬の冠動脈左前下行枝にドップラー血流プローブを、右室にペーシング電極を装着し、完全房室ブロックを作製した。同手術7〜10日後に血行動態指標を測定した後、ペーシングを一時停止することによりP-F関係を求めた。交感神経刺激薬としてノルエピネフリン(NE)冠注後、β受容体遮断薬プロプラノロール冠注後とさらにNE冠注後、α1受容体遮断薬ブナゾシン冠注後とさらにNE冠注後、α2受容体遮断薬ヨヒンビン冠注後とさらにNE冠注後にもP-F関係を求めた。その後、ペーシング頻度を240/分に設定し3週間高頻度ペーシングした時点で、同様に計測した。 【結果】NE冠注後、非心不全時には冠血流が減少する傾向がみられたのに対して、心不全時には軽度であるが冠血流は有意に増加した。β受容体刺激は冠血流増加作用を有するが、心不全時に減弱する傾向がみられた。α1受容体刺激は非心不全時には冠血流不変なのに対して、心不全時には冠血流は減少した。α2受容体刺激は、非心不全時には冠血流減少するのに対して、心不全時にはむしろ不変か増加した。 【結語】慢性心不全時に、さらに交感神経刺激が加わると、冠血流は軽度ながら増加した。それには、α2受容体を介した冠動脈拡張作用が寄与していると考えられた。
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