1996 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインと接着分子の制御による心筋虚血・再灌流障害の軽減の新しい試み
Project/Area Number |
08670814
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
矢尾板 裕幸 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50264544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 弘 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (80281236)
丸山 幸夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90004712)
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Keywords | IL-6 / 再灌流傷害 / 一酸化窒素 / アポトーシス |
Research Abstract |
心筋虚血・再灌流傷害におけるinter leukin-6(IL-6)の作用を検討するために、ラットの心筋虚血・再灌流モデルにおいて再灌流時にhuman IL-6(3.3×10^4U/kg:第1群、または33×10^4U/kg:第2群)を左室腔へ投与した。6時間後にTTC染色にて梗塞巣の広がりを判定したところ、IL-6を投与しない対照の梗塞ラットに比して第1群では梗塞巣が縮小した。この効果はL-NAME 10mg/kgの同時投与により不完全に相殺された。一方、第2群では梗塞巣は拡大し、この効果はL-NAMEにより完全に相殺された。sham手術のラットではIL-6 33×10^4U/kgにて梗塞は形成されなかった。TUNEL染色では梗塞辺縁領域の心筋細胞が陽性を示し、アガロースゲル電気泳動ではラダーが観察された。アポトーシスをおこした心筋細胞は第2群で増加し、これはL-NAMEで相殺されたが、第1群では梗塞巣縮小との間に有意な相関を認めなかった。これらの結果より、IL-6は心筋の再灌流傷害において、用量依存性に異なった作用を有することが判明した。大用量のIL-6はnitric oxide synthase(NOS)の活性化を介して心筋傷害を増幅すると考えられるが、一方、少用量のIL-6による心筋傷害の軽減効果にはNOS以外の機序も関与すると推定された。後者の作用は治療に応用できる可能性があり、その機序のさらなる解明が必要である。
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Research Products
(1 results)