1998 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内Ca^<2+>調節に関するATP感受性Kチャンネルの役割
Project/Area Number |
08670826
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Research Institution | Jikei University, School of Medicine |
Principal Investigator |
望月 正武 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20130205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 晋吾 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70179323)
谷口 正幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70179844)
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Keywords | ATP sensitive K^+ channel / calcium / fura-2 / ischemia |
Research Abstract |
研究目的 心筋細胞内Ca^<2+>([Ca^<2+>]i)の調節に関わる種々のイオン調節機構の役割を調べるため、単離心筋細胞による灌流モデル、および摘出灌流心による虚血・再灌流モデルを用いた。これまでの検討では、単離心筋細胞モデルにおいて、低酸素条件はNa^+/Ca^<2+>交換系の機能抑制とともにResting[Ca^<2+>]iの上昇をもたらし、ATP感受性Kチャネル(K_<ATP>チャネル)開口薬は同条件における[Ca^<2+>]i上昇を抑制した。摘出灌流心モデルにおいても、虚血による拡張期[Ca^<2+>]iの上昇を観察した。そこで[Ca^<2+>]の調節におけるK_<ATP>チャネルおよびNa^+/Ca^<2+>交換系の、相互の役割・関連性を検討した。方法 1. 好気的条件下におけるKATPチャネルとNa^+/Ca^<2+>交換系の相互作用 モルモット摘出心より酵素法にて単離左室心筋細胞浮遊液を作成した。[Ca^<2+>]の測定は、指示薬として5μM Fura-2を細胞に負荷、340nm/380nmのUVにより励起させ、500nmの蛍光強度比 光電子増倍管によってモニターした。細胞はTyrode溶液にて灌流し、KATPチャネル開口薬添加による[Ca^<2+>]の変化を観察し、非特異的Na^+Ca^<2+>交換系阻害薬であるNi^<2+>を加えその影響を調べた。 2. 虚血再灌流における[Ca^<2+>]に対するNa^+/Ca^<2+>交換系阻害薬、K_<ATP>チャネル作働薬の影響ラット摘出心をLangendorff法にて灌流し、蛍光指示薬Fura-2を経冠動脈的に心筋に負荷し、細胞内Ca^<2+>を測定した。Low-flowによる10分虚血に続く10分間の再灌流を行い、細胞内Ca^<2+>動態を観察、選択的Reverse mode Na^+/Ca^<2+>交換系阻害薬KB-R7943、KATPチャネル開口薬、閉鎖薬の影響を調べた。 結果・結論 1. 単離心筋細胞モデルにおいて、非特異的Na^+/Ca^<2+>交換系阻害薬であるNi^<2+>の投与によりresting [Ca^<2+>]iは上昇したが、rorward mode Na^+/Ca^<2+>交換系の抑制によるものと考えられた。K_<ATP>チャネル開口薬のlemakalimは、この[Ca^<2+>]i上昇に対して抑制効果を示した。 2. 摘出心灌流モデルにおいて、Reverse mode Na^+/Ca^<2+>交換系阻害薬は虚血早期(1分後)の拡張期[Ca^<2+>]iの上昇については効果を示さず、虚血10分後にはその上昇を有意に抑制した。また再灌流時[Ca^<2+>]iの下降を促進した。さらに現在K_<ATP>チャネル作働薬の効果を検討中である。 3. 虚血後期・再灌流における細胞内Ca^<2+>過負荷には、reverse mode Na^+/Ca^<2+>交換系の役割が重要である。K_<ATP>チャネル開口薬には虚血早期のCa^<2+>過負荷抑制効果を有する可能性が示唆された。
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[Publications] Mochizuki S,Jiang C: "Na^+/Ca^<2+> exchanger in myocardial ischemia and reperfusion." Jpn Heart J. in press. (1998)
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[Publications] Jiang C,Mochizuki S: "ATP-sensitive potassium channels and myocardial ischemia." The Ischemic Heart. 265 (1998)
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[Publications] Nagata A,Mochizuki S: "Alterations of ion regulation ischemic-reperfused diabatic rat heart." J.Am.Coll.Cardiol. 31. 147C (1998)
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[Publications] Seki S,Mochizuki S: "Effects of ischemic preconditioning on Na^+/Ca^<2+> exchanger activity and ion regulation in isolated perfused rat hearts." The Ischemic Heart Kluwer Academic Publishers,Boston. 305-316 (1998)
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[Publications] Seki,Mochizuki S: "Effect of taurine on ischemia-reperfusion induced Ca^<2+> overload in perfused rat hearts." Eur.Heart.J. 19. Suppl:192 (1998)
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[Publications] Seki S,Mochizuki S: "Protection against ischemia/reperfusion damage of the heart" Role of Na^+/Ca^<2+> exchanger in intracellular Ca^<2+> overload during ischemia and reperfusion., 10 (1998)