1996 Fiscal Year Annual Research Report
心筋症ハムスターのADP/ATP担体蛋白異常における分子生物学的・免疫学的解析
Project/Area Number |
08670827
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 光敏 東京慈恵会医科大学, 内科学講座4青戸病院, 講師 (60177475)
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Keywords | ADP / ATP担体蛋白 / 拡張形心筋症 / ミトコンドリア遺伝子 / 圧負荷肥大心 / ミトコンドリア / 心筋症ハムスター |
Research Abstract |
ミトコンドリア内膜にはミトコンドリアのエネルギー代謝に直接関与するADP/ATP担体蛋白(AAC)が存在する。AACはADPを細胞質に、またADPをミトコンドリア内膜に輸送する役割を担い、拡張形心筋症を初めとする各種の心筋障害の一因となっていると考えられている。 本年度はAAC遺伝子のクローニングに先立ち、当研究室で飼育している心筋症ハムスター(J2N)、また圧負荷肥大心モデルラットであるGoldblatt Ratを用いて、AAC蛋白の発現量に変化が認められるかどうかの検討を行った。 1.心筋症ハムスターの心障害の程度は経時的に(生後5-30週)12誘導心電図を用い非観血的に測定した。左軸偏位、ST後下なで左室肥大を示す所見が認められたハムスターより(生後30週)心臓を摘出、蛋白を抽出しAAC蛋白量を測定した。 コントロールとして用いたゴールデンハムスターに比較し、AAC蛋白の有意な増加が認められた。 2.Wistar Ratの1側腎動脈を狭窄、反対側腎を摘出しGoldblatt Ratを作成。術後5wの心肥大完成期に心を摘出しAAC蛋白量を測定した。1.と同様に肥大心でAAC蛋白の有意な増加が認められた。 以上のようにAAC蛋白の発現量と心筋障害の関連が認められたので、現在1.で用いた心筋症ハムスターよりtotal RNAを抽出し、AAC geneのクローニングを行っている。
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