1997 Fiscal Year Annual Research Report
心筋症ハムスターのADP/ATP担体蛋白異常における分子生物学的・免疫学的解析
Project/Area Number |
08670827
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
林 裕作 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30266671)
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Keywords | ADP / ATP担体蛋白 / 心筋収縮 / 心筋症ハムスター / 肥大心 / 遺伝子発現 / ノーザンブロット |
Research Abstract |
ミトコンドリアに存在する、ADP/ATP担体蛋白(AAC)は心筋収縮のエネルギー供給に関連する重要な蛋白である。ヒト心筋症の心臓中で蛋白発現が抑制されることが知られており心臓疾患の原因の一つと考えられる。 本研究補助金のもと、心筋症ハムスター(J-2-N)、および腎高血圧ラット肥大心筋中でこのAAC蛋白発現が著明に減少することを見いだした。引き続き遺伝子発現について検討を行った。 心筋症ハムスター及びコントロールとしてGolden hamster心筋よりグアニヂウム法によりtotalRNAを抽出、oligo dTセルロースカラムによりmーRNAを分離した。cDNA Synthesis System Plusによりハムスター心筋cDNAライブラリーを作成した。ヒトAAC DNA配列をもとにプライマーを作成、PCRにて遺伝子増幅を行い、plaqueハイブリダイゼーション法によりAAC遺伝子をクローニングした。その結果AAC遺伝子は897bpのcoding regionを持っていた。 ノーザンブロット解析の結果、Golden hamsterに比しJ-2N心筋症ハムスターのうち高度の心筋傷害が認めらた群でAAC発現は約30%に減少していた。心筋傷害の弱い群では発現はほとんど変化なかった。また別心筋症ハムスター、Bio 14.6においてもAAC発現は30-40%に減少していた。 以上心筋症ハムスターにおいてAAC遺伝子発現が抑制されていた。また病態の程度により、この発現量は変化していたことから、心臓障害の程度の示標の一つになることが示唆された
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