1996 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子解析によるアドレノメデュリンの循環器系における病態生理的意義の解明
Project/Area Number |
08670840
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
石光 俊彦 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (80232346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寒川 賢治 国立循環器センター研究所, 生化学部, 部長 (00112417)
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Keywords | アドレノメデュリン / 血管内皮細胞 / 遺伝子 / プロモーター領域 |
Research Abstract |
ヒト大動脈由来の培養血管内皮細胞(HAEC)よりRNAを抽出し、ヒト・アドレノメデュリン(AM)のcDNAをプローブとしてノザン・ブロット解析を行なった結果、HAECにおいてAMのmRNAが発現していることが確認された。次にAMcDNAの第1エキソンにおいて3'→5'方向に24baseのプライマーを作成し、HAECのRNAをテンプレートとしたプライマー伸長法によりAM遺伝子の転写開始部位を決定した。AM遺伝子にはTATA boxの下流21baseおよび25baseの位置に2箇所の転写開始部位が認められた。そこで、この転写開始部位より上流1534baseのプロモーター領域をルシフェラーゼ遺伝子の上流に組み込んだプラスミド・ベクターを作成し、リポゾーム法にてHAECに導入した。発現したルシフェラーゼ活性による蛍光を測定し、同時に遺伝子導入したβ-ガラクトシダーゼの発現活性にて補正して、AM遺伝子上流のプロモーター活性を定量した。AM遺伝子のプロモーター領域1534baseは、SV40ウィルスのプロモーターを有する対照ベクターに比して1/10程度の発現活性を示した。この1534baseのプロモーター領域DNAを5'側よりエキソヌクレアーゼで消化することにより、あるいは新たにPCR産物を組み込むことにより漸次鎖長を短くしてプロモーター活性の推移を検討した。AM遺伝子上流DNAのプロモーター活性は200baseまでは変わりがなかったが、200base以下の鎖長ではプロモーター活性が減少し、TATA boxを失った鎖長ではほとんど発現活性が認められなかった。以上、ヒト血管内皮細胞においてAM遺伝子の発現を確認し、その転写開始部位を決定した。 AM遺伝子の発現にはその5'上流200baseの中に存在するcis elementが関与し、RNAポリメラーゼのTATA boxへの結合が必須であると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] IshimitsuT,NishikimiT,MatsuokaH,KangawaK,KitamuraK,MinamiJ,MatsuoH,EtoT: "Behaviour of adrenomedullin during acute and chronic salt loading in normotensive and hypertensive subjects." Clinical Science. 91・3. 293-298 (1996)
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[Publications] 石光俊彦: "アドレノメデュリンの遺伝子構造" 現代医療. 28・11. 2759-2763 (1996)