1998 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム解析によるA群溶連菌の病原性とその変化に関する研究-Toxic shock-like syndromeの原因究明を中心に-
Project/Area Number |
08670845
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Research Institution | ASAHIKAWA MEDICAL COLLEGE |
Principal Investigator |
室野 晃一 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80219956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 至規 旭川医科大学, 医学部, 医員
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Keywords | A群溶連菌 / 血清型M1 / 劇症型感染症 / toxic shock-like syndrome / ゲノムDNA / パルスフィールド電気泳動 / 病原性 |
Research Abstract |
1979〜1996年に非化膿性合併症、敗血症やtoxic shock-like syndrome(TSLS)などの重症感染症患者から分離されたMl型A群溶連菌28株および合併症のない咽頭・扁挑炎患者から分離された同菌67株の合計95株についてパルスフィールド電気泳動法によりそのゲノムプロファイルを調べた。 1979〜1991年に非化膿性合併症、敗血症患者から分離された10株中8株のゲノムプロファイルは同一で、さらにこれは同時期に合併症のない咽頭・扁桃炎患者から分離された同菌48株中35株のゲノムプロファイルと同じであった。一方1992〜1996年にTSLSなどの劇症・重症感染症患者から分離されたM1型溶連菌18株のゲノムプロファイルはすべて同一で、同時期に咽頭・扁桃炎患者から分離された19株中18株のプロファイルと同じであった。すなわち1991年以前と1992年以降において分離されたMl型A群溶連菌のゲノムプロファイルは疾患に関わらずそれぞれ同じであった。しかし1992年以降に分離された株のゲノムプロファイルは1991年以前に分離されたプロファイルと全く異なるものであった。 1992年以降わが国において増加してきたTSLS患者から分離されたA群溶連菌の多くはMl型であり、この時期に一致したこの血清型のA詳溶連菌のゲノム変化あるいは新しいクローン株の出現とその広がりは日本におけるこうした疾患の増加に関連している可能性がある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Koichi Murono,Kozo Fujita,Yoshiki Hirano,et al.: "Emergence and spread of a new clone of M type 1 group A Streptococcus coincident with the increase in invasive diseases in Japan" Pediatr Infect Dis J. 18・3. 254-257 (1999)
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[Publications] 平野至規、室野晃一、西條政幸、藤田晃三、ほか: "T1型A群溶連菌のゲノムプロファイルの変化について" 小児感染免疫. 9・2. 185 (1997)
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[Publications] 室野晃一、西條政幸、藤田晃三、村井貞子: "非化膿性合併症、重症感染症患者から分離されたA群溶連菌のゲノム解析" 小児感染免疫. 8・2. 138 (1996)
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[Publications] 室野晃一: "最近の溶連菌感染症" 感染症と化学療法. 3・5. 21-24 (1996)
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[Publications] 室野晃一、西條政幸、Jiwei Zhang、藤田晃三、ほか: "臨床分離A群溶連菌のゲノムプロファイルについて" 感染症学雑誌. 70・8. 903 (1996)