1996 Fiscal Year Annual Research Report
IL-12によるcostimulatory分子を介する新生児T細のヘルパー能誘導
Project/Area Number |
08670863
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
関 秀俊 金沢大学, 医学部, 教授 (60171328)
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Keywords | 新生児T細胞 / Costimulatory分子 / IL-12 / ヘルパー能 / CD80 / CD40 / CD40L / CD28 |
Research Abstract |
IL-12による新生児期のCD4陽性T細胞の免疫グロブリン産生補助能の誘導機序を研究した。臍帯血CD4陽性T細胞は殆どCD45RO陰性のいわゆるナイーブ型で、抗原刺激によるIL-4,IL-10,IFN-γなどのサイトカイン産生は著明に低下していた.また新生児T細胞は成人B細胞との混合培養ではlgGやlgA産生補助能は極めて低下していた.T細胞の抗原特異的な活性化には、Costimulatory分子を介するシグナルが必要不可欠であり、とくにCD28/CTLA4-CD80/CD86,CD40リガンド(L)-CD40がT細胞とB細胞間相互作用で重要である.新生児T細胞のCD40LはPHA,PWM,PMAとcalciumionophoaなどの刺激後も全く誘導されず,ヘルパー能低下の一因と考えられた.一方、IL-12は、CD4陽性T細胞をTh1型に誘導しIFN-γ産生能を高めるサイトカインであると理解されている.IL-12単独ではB細胞のIg産生は誘導できなかったが、ヘルパー能がなくサップレッサー能が亢進しているとされる新生児CD4陽性T細胞と成人B細胞の混合培養系で、PWM刺激でヘルパー能を示した.PWM刺激培養後の成人B細胞のCD80抗原発現はIl-12やIL-4による増強はみられず、さらに新生児CD4陽性T細胞はPWM刺激によりCD45RO抗原を発現するようになるが、IL-12存在下においてもCD40Lの誘導は全くなく、CD28抗原の有意な増強も観察されなかった.したがって、IL-12によるヘルパー能誘導の機序におけるCD80-CD28やCD40-CD40Lを介するCostimulatory分子の関与を明らかにすることはできなかった。今後他のCostimulatory分子の関与を検討する必要がある.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 関,秀俊、宮脇利男: "Fasを介するアポトーシスにはIL-1β変換酵素(ICE)関連プロテアーゼが必要である" 臨床免疫. 28. 1313-1319 (1996)
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[Publications] 谷口昴他: "リンパ球増殖症候群兄妹例におけるFas(CD95)抗原変異" 厚生省特定疾患免疫不全症候群調査研究班 平成7年度研究報告書. 122-126 (1996)
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[Publications] Y.Kasahara et al: "The role of reactive oxygen intermediates in spontaneous and CD95(Fas)-mediated apoptosis of neutrophils lessened from chronic granulomatous disease with genrtic defects of respiratory burst oxidase." Blood. (in press).
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[Publications] H.Kanegane et al: "Chronic lymphoproliferative disorder of B cells and granular lymnphocytes harboring Epstein-Barr virus." Brit.J.Haematol.95. 116-122 (1996)
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[Publications] M.Kawano et al: "Decreased expression of 20-kD homologousrestriction factor (HRF20,CD59) on T lymphocytes in Epstein-Barr virus (EBV) -induced infectious monomucleosis" Clin.Exp.Immunol.108 (in press).
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[Publications] 塚田聡編分担: "免疫不全の分子医学;ヒト免疫機構の発生・分化" 羊土社, 157 (1996)