1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670876
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
伊藤 正寛 三重大学, 医学部, 助教授 (10126956)
|
Keywords | 麻疹ウイルス / Tリンパ球 / CD4リンパ球 / CD8リンパ球 / アポトーシス |
Research Abstract |
麻疹ウイルスによる末梢血Tリンパ球におけるアポトーシスの誘導 1)方法 (1)健康成人の末梢血単核球をFico11-Hypaque法により分離した。Tリンパ球は末梢血単核球をナイロンウ-ルカラムに37℃1時間培養し単球とB細胞を除去した。CD4,CD8リンパ球はダイナビーズを用いて分離した。 (2)麻疹ウイルスの感染と培養 Tリンパ球、CD4,CD8リンパ球1x10^6/mlに麻疹ウイルス(Toyoshima株)をmoi=1.0で感染させ37℃1時間培養ご洗浄しPHA5mg/ml添加、非添加で72時間培養した。 (3)アポトーシスの判定 培養後細胞を洗浄しDNAを抽出後2%agarose gel電気泳動によりDNAの泳動パターンを観察した。Cell cycleは細胞のDNAをPIで染色しフローサイトメトリーでCell cycleを解析しhypodiploid fractionを求めた。DNA fragmentationはTUNEL法により細胞を染色しフローサイトメトリーで解析し%apoptosisを求めた。 2)結果と考察 麻疹ウイルス感染後PHAによる刺激を加えることにより健康成人のTリンパ球にDNA ladder patternの出現,hypodiploid fractionの増加,apoptosisの割合が麻疹非感染に比較して有意に増加した。また麻疹ウイルス非感染細胞では認められなかった。また麻疹ウイルスによるアポトーシスはPHAによる刺激が加わった時にのみ認められた。またCD4とCD8リンパ球ではCD4リンパ球に麻疹ウイルスによるアポトーシスが誘導されたがCD8リンパ球では誘導されなかった。以上のことから麻疹ウイルス感染によるリンパ球減少の原因としてアポトーシスがあり、CD4リンパ球の機能に影響を及ぼしていることが考えられた。
|