1996 Fiscal Year Annual Research Report
銅転送ATPasesの酵素活性測定の開発とウィルソン病、メンケス病の病態解析
Project/Area Number |
08670913
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
児玉 浩子 帝京大学, 医学部, 助教授 (00093386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 佳子 帝京大学, 医学部, 検査員 (60256047)
中里 豊 帝京大学, 医学部, 講師 (20188923)
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Keywords | Wilson病 / Menkes病 / 銅転送ATPase / 活性測定 |
Research Abstract |
遺伝子解析からWilson病、Menkes病は銅転送ATPaseの異常であると考えられている。しかし本酵素の活性を検討した報告はない。本研究では本酵素の活性測定法を開発した。材料・方法:正常ヒト、Menkes病患者の培養皮膚線維芽細胞をHoriuchiらの方法で回収しサンプルとした。ATP溶液(1μM)100μlに正常ヒトのサンプル(タンパク量として10〜60μg)、グルタチオン銅(1〜100μM)、ルシフェラーゼ試薬100μlを加え、銅添加によるATPの減少をルシフェラーゼ反応で測定した。添加する銅濃度、サンプル量による変化を検討し、KmおよびVmaxを求め、最も適切な銅濃度とサンプル量を決定した。さらに確立した方法でMenkes病患者サンプルの本酵素活性を測定した。結果・考察:反応液中の銅濃度の変化では、銅濃度が20μMまでは直線的にATPは減少し、それ以上の銅濃度では飽和曲線になった。Lineweavear-BurkdataのプロットからKm=3.85μM,Vmax=10.6nmol/mg protein/minが得られた。サンプル量の変化では、濃度依存性に活性は増加した。これらの結果より、本方法は銅転送ATPaseの活性を測定していると判断できた。さらに活性測定にはサンプル量は12.5μgタンパク量、銅濃度は20μMが最も望ましいと判断された。本方法で測定すると、正常ヒト培養皮膚線維芽細胞の銅転送ATPaseの活性は1397pmol/mg protein/minであった。Menkes病患者の皮膚線維芽細胞を測定すると検出感度以下であり、本方法が銅転送ATPaseの活性を的確に測定していることを裏付ける結果であった。今度正常ヒトやWilson病患者の肝臓での活性測定法も検討する予定である。
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