1996 Fiscal Year Annual Research Report
初代無血清培養系を用いた脂肪細胞分化の検討:G蛋白とCキナーゼの作用を中心に
Project/Area Number |
08670914
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
篠原 治 東海大学, 医学部, 助教授 (40129466)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 千鳥 東海大学, 医学部, 助手
|
Keywords | Cキナーゼ / 脂肪細胞 / 細胞分化 |
Research Abstract |
【はじめに】肥満発症機転の細胞生物学的機序の解明を目的として,今回はCキナーゼの分化に及ぼす作用と,分化に伴うCキナーゼのサブタイプの発現につき検討した. 【方法】生後6-8週齢の雄SDラットの副睾丸周囲の脂肪組織よりコラゲナーゼ処理で脂肪前駆細胞を得て無血清培養を施行した.培養開始後1日おきに培地を交換し,種々の因子を添加した,脂肪細胞への分化を検討した.また,Cキナーゼのサブタイプ発現をウェタン・ブロッティング法により検討した. 【結果】無血清培養下で誘導される脂肪前駆細胞の脂肪細胞への分化は,Cキナーゼ活性化剤のTPAにより抑制された.一方,Cキナーゼ活性阻害剤のH7あるいはスタウロスポリンは用量依存性に脂肪細胞への分化を促進した.また,いずれもTPAによる分化抑制を解除した.ウェタンブロッティングによるCキナーゼサブタイプ発現の検討では,α,δ,ε,ζが脂肪前駆細胞および分化脂肪細胞で発現し,β,γは発現しなかった.分化誘導剤に比し,分化後にαおよびεの発現が顕著となった. 【結論】ラット脂肪前駆細胞の分化過程においてCキナーゼは抑制的に作用した.Cキナーゼの発現様式はサブタイプにより異なり,脂肪細胞分化に関与する分子種間での作用差が示唆された.
|