1996 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧症に対する一酸化窒素吸入法の増強補助療法の開発
Project/Area Number |
08670915
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
近藤 千里 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90192070)
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Keywords | 一酸化窒素 / 肺高血圧症 |
Research Abstract |
本研究は、肺高血圧症の効果的治療法として臨床応用が開始されている一酸化窒素(NO)吸入療法について、その作用を増強する補助療法の研究開発を目的とするものである。 平成8年度は動物実験によりNO吸入とPDE阻害剤の作用増強効果を検討した。 〔方法〕1.成熟ラットを用い、挿管、人工呼吸下でNO10ppm、40ppmおよび80ppm動脈中のサイクリックGMP,硝酸塩濃度、メトヘモグロビン濃度、ならびに血液ガス測定をった。なおNO濃度調節および人工呼吸器は現有するNO投与ならびに排気装置を使用した。 2.1の動物を続いてU46619(トロンボキサンB2誘導体)0.4-0.8mg/kg/min持続静脈投与を行い、平均肺動脈血圧を30mmHgに上昇せしめたのち、NO40ppm(酸素濃度50%)にて同様に吸入させ、肺動脈圧の減少効果を測定したのち、再びU46199を持続的に静注し肺高血圧を持続させた上で、PDE阻害剤であるジピリダモ-ル0.6mg/kgならびにアムリノン1mg/kg静注を10分間で行い、静注開始30分後よりNO10ppm、40ppmおよび80ppmで吸入させた。 〔結果〕ラット23匹を対象とした結果では、U46619静注により投与前16^+/-5mmHgであった肺動脈圧は投与開始10分後には平均28^+/-9mmHgと有意に上昇これに対しNO吸入により肺動脈圧は21^+/-6mmHgに有意に低下してNO吸収の肺動脈減少効果を認めた。これにさらにジピリダモ-ル併用下、ならびにアムリノン併用下でのNO吸入後の肺動脈圧はそれぞれ19^+/-7mmHg 22^+/-5mmHgであり、これらの薬剤の併用を伴わない場合と比べて有意の増強効果は認められなかった。
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