1997 Fiscal Year Annual Research Report
慢性腎炎進行因子としてのレニン-アンギオテンシン系遺伝子の関与
Project/Area Number |
08670920
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
栖原 優 日本大学, 医学部, 講師 (60171295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 剛史 日本大学, 医学部, 助手 (80256875)
渡辺 修一郎 日本大学, 医学部, 助手 (90297820)
津田 正彦 日本大学, 医学部, 助手 (20227416)
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Keywords | 慢性腎炎 / 血尿 / アンギオテンシン変換酵素 |
Research Abstract |
本年度は腎疾患症例の臨床経過、病理所見について検討を行った.特に紫斑病性腎炎については発症時臨床所見、病理所見、長期予後について検討した。 当院で経過観察している紫斑病性腎炎の中でネフローゼ症候群で発症した8例につき臨床経過を検討したところ、2〜10年の経過で5例では尿蛋白が消失したものの、3例では尿蛋白が持続していた.いずれの症例も、約6カ月でネフローゼ症候群からは脱していた.ステロイドの投与期間以外の治療法に両群の間で差はなかった.ステロイド投与期間は尿蛋白持続群でより長期であったが、これはこの群より重症であることを反映していると思われる.尿蛋白が消失した5例ではISKDCの組織分類でIIまたはIIIaであり巣状変化が主体であるのに対して、尿蛋白持続群ではいずれもがびまん性変化を認めるIIIbであった.このことから組織変化の広範な症例ほど蛋白尿が持続する傾向がみられた.今後これらの症例に関してレニン-アンギオテンシン系遺伝子の関与について検討する. また小児糖尿病10症例から検体を得たのでこれらの臨床経過とレニン-アンギオテンシン系遺伝子の関係について検討する. 無症候性血尿において、レニン-アンギオテンシン系遺伝子が顕性蛋白尿の出現に影響を与えるか否かに関しては、症例数が少ないため結論は得られていない.
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