1996 Fiscal Year Annual Research Report
小児肺高血圧症における一酸化窒素作用メカニズムの解明
Project/Area Number |
08670929
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
赤木 禎治 久留米大学, 医学部, 助手 (80231801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 裕久 久留米大学, 医学部, 教授 (30080724)
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Keywords | 肺高血圧症 / 小児 / 一酸化窒素 / 血管内皮細胞 / 微小循環 |
Research Abstract |
1,新生児持続性肺高血圧症モデルの作製 出生直後の新生仔ブタに対し,内頸静脈よりアプローチしたカテーテルによって持続的に肺血圧をモニターしながら,FiO2 15%程度の低酸素人工呼吸管理を行いて肺血管抵抗を上昇させた.低酸素かつ高二酸化炭素の条件下で新生仔ブタの肺動脈圧は出生後48時間以内では大動脈圧とほぼ等圧であり,動脈管レベルでの右左短絡が存在することが証明された.しかしながらこのような反応は48時間以降ではしだいに体血圧の低下をまねき,7日間以上生存し得た例はなかった.一方出生直前の妊娠羊に対し強力な動脈管収縮剤であるインドメサシンを投与することによって作成することを試みた新生児期肺高血圧症モデルでは,肺体血圧比が0.6以上の例はなく通常の投与量では肺高血圧をきたすほどの作用がないことが解った.また出生直後の新生仔ブタに対しモノクロタリンの大量投与により実験的肺高血圧を作製する試みは,現在実験を継続中である. 2,肺高血圧症モデルをもちいた一酸化窒素吸入に対する肺動脈反応の検討 低酸素負荷で作製した肺高血圧症モデルに対し,経静脈的に圧測定用カテーテルと血管内エコーを肺動脈末梢まで挿入し,5〜100ppmの一酸化窒素吸入を施行した.その結果一酸化窒素投与によって肺動脈圧の有意な低下は認めなかったが,酸素飽和度は平均8.9%上昇した.血管内エコーによる評価では肺動脈内皮の有意な肥厚を認めた症例はなく,その病変部位が肺動脈末梢血管よりむしろ肺胞レベルの微小循環レベルであることが示唆された.
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Research Products
(1 results)