1996 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン分子間架橋(HHL)の簡易測定法の確立とその臨床応用
Project/Area Number |
08670946
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石川 治 群馬大学, 医学部, 助教授 (90168188)
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Keywords | コラーゲン / 分子間架橋 / histidinohydroxylysinonorleucine / HHL / 全身性強皮症 |
Research Abstract |
1)微量の皮膚試料中のコラーゲン3分子間,hisidinohydroxylysinono-rleucine(HHL),を高感度(1〜10pM),短時間で定量する方法を確立した.原理は試料を加水分解後,9-fluorenylmethyl chloroformateで標識し,逆層高速液体クロマトグラフィーで分離,定量するものである(Anal Biochem投稿中).本法を用いることにより,これまでアミノ酸分析により行なわれていたHHLの分析が簡便となり,多くの施設で分析可能となる. 2)本法を用いて,全身性強皮症患者前腕硬化部皮膚のHHLを定量し,年令および部位を一致させた対照正常人のそれと比較した.その結果,コラーゲン1分子当たりのHHL量(モル比)は強皮症(n=7)が0.333【.+-。】0.033,対照(n=8)は0.15【.+-。】0.043であり,強皮症で有意にHHLが増加していた.この研究は,強皮症患者皮膚コラーゲンの質的変化を初めて生化学的に証明したものである.HHLが増えることによりコラーゲン分子同士の架橋が強固となるとともに,プロテオグリカン,フィプロネクチンなどの他の細胞外基質との相互作用によりコラーゲン分子の安定性が増すと推定される.その結果,強皮症ではコラーゲンが分解されにくくなり,過剰沈着が起こるという機序が推定された(Biochem Biophys Res Commun投稿中).今後,生体におけるHHL形成の制御機構を明らかにしていく必要がある.
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[Publications] Okada K,Kondo K,Ishikawa O,Miyachi Y,Kuboki Y: "Histidinohydroxylysinonorleucine in human dermis of sun-exposed and sun-protected sites determined by high-performance liquid chromatography." Photomed Photobiol. 18. 79-80 (1996)