1996 Fiscal Year Annual Research Report
MCP-1 トランスジェニックマウスを用いた樹状細胞の解析
Project/Area Number |
08670950
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 晃一郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60175502)
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Keywords | トランスジェニックマウス / MCP-1 / Gro-α / ケモカイン / 白血球 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
白血球走化因子インターロイキン8ファミリーに属するMCP-1(monocvte chemoacttratant protein)、Gro-αをケラチノサイトが過剰発現するトランスジェニックマウスを作成し、白血球浸潤機序について解析した。その結果、MCP-1マウスでは組織学的に表皮直下に多数のマクロファージ、樹状細胞の湿潤を認めた。またGro-αマウスでは、組織学的に真皮内毛包壁へのCD11b陽性白血球の浸潤を認め、電顕で多核白血球であることが確認された。ハプテンなどの物質を塗布した後に生じる皮膚炎ではMCP-1、Gro-αマウスともに、表皮、真皮への著明な白血球浸潤を認めた。特にMCP-1マウスでは表皮内に多数のマクロファージ、T細胞の浸潤を認めた。またGro-αマウスにおいて、croton oilを用いて一次刺激皮膚炎を惹起し、耳介腫脹および真皮内白血球数について検討したところ、塗布後6、12、24時間後にGro-のマウスで耳介腫脹のわずかな増加傾向を認め、一方、6、24時間後、真皮内への白血球浸潤に関して、ワイルドタイプマウスと比べ、Gro-αマウスで著明な増加傾向を認めた。これらの結果は、ケラチノサイト由来のケモカインが皮膚の炎症の調節に重要であることを示しており、皮膚への白血球浸潤、炎症反応の形成にケモカインが関与する可能性を示唆すると考えられた。
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Research Products
(2 results)