1998 Fiscal Year Annual Research Report
表皮細胞の分化における核内レセプターの働らきと角化異常
Project/Area Number |
08670951
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
今門 純久 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (60168507)
|
Keywords | RARα / BRCA1 / PPAR |
Research Abstract |
RARαのdominant negativeな変異体をトランスジェニックマウスの皮膚に発現させると、出生直後に赤く光沢ある皮膚を持マウスが生まれ、また、このマウスの皮膚の角質細胞間のmultilamellar構造の形成が阻害されることが知られていたが、ざらに検討を重ねた結果、このマウスの皮膚の角質の脂質組成は、正常マウスに比して、リン脂質に富むことが判明し、phospholipase活性が低下していることが示唆された。 フェルネル型掌蹠角化症の男性例において、ケラチン9番遺伝子の1A領域に点突然変異が見られ、一方の鎖において167番目のロイシンがセリンに置換されていることが判明した。また、水疱型先天性魚鱗癬紅皮症の女性例において、ケラチン10番遺伝子の1A領域のN末より10番目のアミノ酸であるアルギニンが、一方のalleleにおいてヒスチジンに置換されていることが判明した。 家族性乳癌の原因遺伝子の1つであるBRCA1の遺伝子産物に対する抗体の1つが、平滑筋細胞を特異的に認識することを明らかにした。また、乳房外Paget病細胞におけるerbB4とprogesterone受容体の発現を抗erbB4抗体、抗progesterone受容体抗体を用いて検討した。 核内転写因子の1つであるperoxisome proliferator activated receptor(PPAR)の培養ヒト表皮細胞における発現をRT-PCR法を用いて検討した。subconfluent、confluentいずれにおいても、また、培地のカルシウム濃度の高低にかかわらず、PPARのmRNAが検出された。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Imakado S,et al: "The anti-BRCA1 peptide antibody C-20 recognizes smooth muscle cells" Acta Derm Venereol. 78. 396-397 (1998)
-
[Publications] 今門純久.他: "RAR dominant negative トランスジェニックマウス(続報)" 第12回 角化症研究会記録集. 12. 31-33 (1998)
-
[Publications] 足立 真、他: "ケラチン9遺伝子の1A領域の点突然変異を認めたVorner型掌蹠角化症" 第12回 角化症研究会記録集. 12. 59-60 (1998)
-
[Publications] 今門純久: "魚鱗癬" 皮膚疾患最新の治療1999-2000,南江堂. 119-120 (1999)
-
[Publications] Imakado S,et al: "Immunohistochemical detection of erbB-4 expression in extramammary Paget's disease" Acta Derm Venereol. in press.
-
[Publications] 今門純久、他: "Arg→Hisの証明された水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症" 茨城臨床医学雑誌. 印刷中.
-
[Publications] 今門純久: "レチノイド" KEY WORD1999-2000、先端医学社. 印刷中.
-
[Publications] Imakado S,et al: "Lack of progesterone receptor expression in extramammary Paget's disease" Acta Derm Venereol. in press.