1996 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚特異的レチノイン酸受容体欠損型トランスジェニックマウスの作製と解析
Project/Area Number |
08670964
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 俊宏 京都大学, 医学研究科, 講師 (50188314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 憲一 京都大学, 医学研究科, 講師 (80159045)
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Keywords | レチノイン酸 / ケラチン / ドミナント-ネガティブ / トランスジェニックマウス / 表皮発生 / 角化症 / 炎症性角化症 |
Research Abstract |
レチノイン酸は表皮細胞の分化誘導を介して、多くの先天性皮膚疾患に対して有用に働くが、その生体での作用機点は全く不明である。これは必須ビタミンであるビタミンAの完全欠損は胎児死亡をひきおこすため、欠損モデルが作製しえなかったためである。我々はこの問題を解決するために、表皮のみで特異的に働くドミナント-ネガティブタイプのレチノイン酸レセプタートランスジェニックマウスを作製し、レチノイン酸の生理的、薬理的機能を明らかとすることを研究目的として以下の実験を行った。アルファ型レチノイン酸受容体に点突然変異を導入しドミナント-ネガティブの形質を持つレチノイン酸受容体をコードするcDNAを作製するし、プロモーターとしてケラチン14プロモーターを用いて、発現を皮膚特異的としたトランスジェニックマウスを作製した。得られたトランスジェニックマウスは肉眼的に皮膚が薄くなっており、顕微鏡観察では表皮のマルピギ-層の細胞数の減少が観察され、同時にレ-テリッジの形成不全も観察された。これらの形質の変化を示す個体はすべてサザン法にて外来性DNAを検出でき、またノザン法にて外来性DNA由来の転写産物が存在することを確認できた。形態変化を皮膚の分化異常の観点および発達の障害の観点でとらえるために免疫ブロット法を用いて表皮細胞構造蛋白の変化を観察し、同時に、蛍光抗体法を用いて表皮細胞構造蛋白の発現局在部位の変化を観察した結果、本マウスでは、皮膚の発育過程に変化を生じていることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Horiguchi et al.: "An acquired bullons dermatosis due to an autoimmune reaction against uncein" Br.J.Dermatol. 134. 934-938 (1996)
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[Publications] S.Kobayashi et al.: "Keratin 9 point mutation in the pedigree of Epidermolytic Heredstary Palmoplantar Kevitoderma distunbs Keratin ratermediate filament" FEBS letter. 386. 149-155 (1996)