1997 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎の動物モデルの完成とそれを用いた経口トレランス誘導の試み
Project/Area Number |
08670982
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
早川 和人 杏林大学, 医学部, 講師 (50146669)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 動物モデル / 経口トレランス / サイトカイン / in situハイブリダイゼーション / mRNA |
Research Abstract |
前年度の研究において、抗原刺激をくり返すことによって局所皮膚におけるサイトカイン産生パターンがTh1優位からTh2優位へ移行することを示したが、本年度は同様の実験系においてin situハイブリダイゼーションによる検討をおこなった。方法はまずBALB/cマウスをTNCBで感作した後、同一部位に隔日でTNCB外用をくり返した。同部位より経時的(0,1,3,6,9,12,24時間)に生検をおこない、in situハイブリダイゼーションを用いて各種サイトカイン(IFN-γ、IL-10)のmRNAの発現の局在、時期について検討した。結果は、急性期の皮膚においては数時間から10数時間をピークとして真皮に浸潤しているT細胞にIFN-γ mRNAの発現が認められた。この発現は次第に減弱し、それに反比例して10時間から24時間後にかけて、真皮に浸潤するT細胞にIL-10mRNAの発現が増強した。現在、IFN-γ mRNA、IL-10 mRNAを発現するT細胞のphenotypeにつき検討中である。一方慢性期の皮膚においてはTNCB外用3時間後から表皮内および真皮に浸潤しているT細胞にIL-10 mRNAの発現が認められ、24時間後まで続いた。IFN-γ mRNAの発現は数時間後からごく軽度に認められるのみであった。慢性期の皮膚局所に抗IL-10 抗体を投与することにより、IFN-γ mRNAの発現の増強が認められた。慢性に抗原刺激をくり返した皮膚局所の所属リンパ節細胞は、急性期と比べ、IFN-γ産生細胞の著明な低下が認められた。
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