1997 Fiscal Year Annual Research Report
病像形成とプロテアーゼ-特に乾癬の細胞周期亢進メカニズムの解明
Project/Area Number |
08670984
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高森 建二 順天堂大学, 医学部, 教授 (40053144)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石堂 一巳 順天堂大学, 医学部, 助手 (40212906)
|
Keywords | 乾癬 / 細胞周期 / サイクリン / プロテアソーム / ケラチノサイト / 分化 |
Research Abstract |
乾癬においては表皮細胞のcell cycleが著明に短縮しており、この事が乾癬における表皮細胞増殖の基本的変化であると考えられている。しかし乾癬表皮細胞の細胞周期メカニズムについては全く知られていない。そこでこの乾癬表皮細胞のcell cycle亢進メカニズムを明らかにするために、本年度はプロテアソームとサイクリンの正常ヒトおよび乾癬皮膚内局在を生化学的、免疫組織学的に明らかにした。 1)プロテアソームの皮膚内局在 プロテアソームは、生化学的にはその活性は顆粒層から有棘層で最大を示し、角層、真皮では認められなかった。免疫組織学的にも、顆粒層から有棘層の細胞質、核に強い染色性を示し、角層、真皮成分は染色されなかった。 2)サイクリンの皮膚内局在 サイクリンAは正常ヒト表皮には認められなかったが、乾癬表皮では強く認められた。一方サイクリンDは正常ヒト表皮、乾癬表皮ともに認められなかった。この結果は表皮の増殖にはサイクリンAが強く関与していることを示している。 3)表皮ケラチノサイトの分化とプロテアソームとの相関 プロテアソーム活性はケラチノサイトの分化に伴って増加した。プロテアソームmRNAの発現量もケラチノサイトの分化に伴って増加した。 以上の結果はプロテアソームがケラチノサイイトの分化に強く関与しいる事を示唆している。今後、サイクリンの分解と細胞増殖の関係をプロテアソームとの相関において検討してゆきたい。
|