1997 Fiscal Year Annual Research Report
尋常性乾癬における抗原特異的T細胞クロノタイプ解析
Project/Area Number |
08670988
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Research Institution | St.Marianna Univercity School of Medicine |
Principal Investigator |
碇 優子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (70212727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高濱 英人 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90267633)
溝口 昌子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (30010250)
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Keywords | 尋常性乾癬 / T細胞クローン / T細胞レセプター / RT-PCR / SSCP法 |
Research Abstract |
尋常性乾癬(psoriasis vulgaris以下PV)の皮疹は組織学的に表皮の変化に加え、真皮にT細胞を主体とする単核球浸潤がある。このT細胞浸潤は何らかの抗原に反応して増殖している可能性が考えられるが、推定の域を出たものはない。我々はRT-PCR/SSCP法を用いて、T細胞レセプターを解析することにより、患者皮膚に抗原特異的T細胞の集積が見られるか否かにつき検討した。〔方法〕治療前のPV患者5人を対象とし、病変部2ヶ所および健常部2ヶ所のの皮膚生検を施行した。また同患者の末梢血を採取し定法により単核球を分離した。得られた皮膚組織と単核球からmRNAを抽出、cDNAに変換した後、ファミリー特異的Vβプライマーを用いたRT-PCR/SSCP法によりT細胞レセプターβ鎖のCDR3領域を解析、病変皮膚と末梢血のT細胞クロナリテイーにつき検討した。〔結果〕RT-PCRの結果、全てのVβにおいてPCR産物が検出されたことから、病変部のT細胞レセプターβ鎖について全てのVβファミリーをもつT細胞が集積していることがわかった。このPCR産物をSSCPにより検討すると、病変皮膚には各Vβにつき数本のバンドが認められ、T細胞が病変部にオリゴクローナルに集積していることが判明した。病変部の2ヶ所でそれぞれ認められたバンドのパターンに一致するものがあるかを比較すると、これらのバンドのうち2〜3本が2ヶ所の皮膚に共通して認められるた。つまり、異なる2ヶ所の病変部に共通するT細胞クローンが存在することがわかった。一方、末梢血の解析結果はほぼスメアパターンとなったが、わずかに認めるバンドもあった。こちらも皮膚と共通があるかどうかを検討中である。〔結語〕この結果は、PV患者の病変皮膚において、特異抗原により刺激された抗原特異的T細胞がオリゴクローナルに、かつ皮膚の異なる場所に共通性をもって、集積していることを示唆する。
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