1996 Fiscal Year Annual Research Report
メラノサイトの分化過程でのSCFの役割(c-KIT、チロジナーゼ発現との関連性)
Project/Area Number |
08670989
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
河 陽子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10082273)
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Keywords | stem cell factor / c-KIT / neural crest / melanogenesis / mlanocyte differentiation / tyrosinase / TRP1 / TRP2 |
Research Abstract |
前年度迄の本研究において我々は、マウス神経管培養系を用いてSCFが培養初期のメラノサイトの前駆細胞と思われるc-KIT陽性細胞の生存に必須であり、分化にも関与する事を示唆する結果を報告してきたが、今回はどの分化段階に関与するかを検討すると共に最終分化に関与する内因性因子の解析をした。 1 SCFがメラノサイトの分化に与える影響の検討。 胎生9.5日目のマウス体部の神経管を取り出し、15%FBS添加イ-グルMEM培地を基本培地として50ng/mlの濃度のSCFを添加培養し、培養3日、4日、5日、6日目に抗c-Kit、チロジナーゼ、TRP1、TRP2抗体を用いて酵素抗体法にて染色した。結果;培養3日にはc-KITのみ陽性、培養4日にはc-KIT、TRP2が陽性、培養5日にはc-KIT、TRP2、TRP1が陽性、培養9日にはチロジナーゼを含む全てが陽性となった。神経冠細胞は、c-KIT、TRP2、TRP1、チロジナーゼの順に発現する可能性が示唆された。但し、チロジナーゼ陽性細胞は上皮様細胞上に限局して存在するのでチロジナーゼの発現は上皮様細胞由来の因子による影響が大であろうと思われた。 2 SCFとの併用によりメラノサイトの最終分化に関与する因子の検索 IL-1α、エンドセリン、α-MSH、および陽性コントロールとしてすでに最終分化に関与することを確認しているコレラトキシンを使用する。 上記と同様の培養系を用いてSCFを添加した基本培地にIL-1α、エンドセリン、α-MSH、コレラトキシンをそれぞれ添加し、12日目にDOPA反応を施行した。結果;IL-1α以外は、全てDPA陽性細胞およびメラニン顆粒を含有する成熟メラノサイトが著増した。エンドセリン、α-MSHはメラノサイトの最終分化に深く関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)