1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08670995
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊藤 和夫 北海道大学, 医学部, 助教授 (40111166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 江利子 北海道大学, 医学部, 助手 (40201636)
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Keywords | 腎機能 / 放射性医薬品 / 体外計測法 |
Research Abstract |
放射性医薬品を用いた簡便でかつ信頼性の高い腎機能の定量解析法の開発を目的とした。近位尿細管から分泌されるTc-99m標識mercptoacetyl-triglycine (MAG3)の血液クレアランスと腎臓への集積率を中心に検討した。腎機能障害の存在が疑われた成人48例および小児9症例を対象にした。一回採血法による腎クレアランスをこれまで報告されている方法(Russell法、Bubeck法、Piepsz法)間で比較し、さらに我々が開発したガンマカメラを用いた腎摂取率法との相関に関して検討した。その結果、一回採血法に関しては何れの方法も非常に高い相関を認めた。Russell法で算出された腎クレアランス(X)とBubeck法での値(Y)との間の回帰式はY=44.47+0.696X (n=48、r=0.988)であった。一方、我々が開発したガンマカメラ法も一回採血法による腎クレアランス値と高い相関を認めることができた。ガンマカメラ法によるERPF (X)とRussell法(X)によるERPFとの回帰式はY=37+0.772X (n=48、r=0.897)であった。Tc-99m-MAG3を用いた一回採血法は全腎機能を評価する上で簡便で極めて信頼性の高い腎尿細管機能および有効腎血漿流量の定量的評価法であることが示された。我々の開発したガンマカメラ法は信頼性の点では一回採血法に劣るが、十分臨床に応用できることが再確認された。腎クレアランスの算出アルゴリズムは指数関数を用いた計算式から構成されている。今回購入したデータ処理装置は一回採血法による腎クレアランスの算出、データ整理ならびに各検査法間の統計処理に使用した。
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