1997 Fiscal Year Annual Research Report
後部蓋窩脳血管傷害における椎骨・脳底動脈解離の重要性に関する研究
Project/Area Number |
08671002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
細矢 貴亮 山形大学, 医学部, 助教授 (50143102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 昂一 山形大学, 医学部, 教授 (00918443)
安達 真人 山形大学, 医学部, 助手 (80212520)
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Keywords | 椎骨動脈 / 脳底動脈 / 動脈解離 / MRI / 脳血管造影 / 解離性動脈瘤 |
Research Abstract |
血管造影で椎骨・脳底動脈解離と診断できた症例を32例集積できた.現在,臨床所見,血管造影所見,MRI所見の解析が終了し,結果をまとめている段階である. 血管造影における診断根拠は,double lumen 11例(13本),pearl & string sign 21例(29本)であった.発症後1週以内あるいは発症後3週以降の血管造影では所見の明らかでない症例がみられた.臨床的に脳幹部や小脳の虚血に起因する症状の出現頻度が高く,くも膜下出血は3例にみられたのみである.なかには頭痛のみの軽症例や全く症状のない症例があった.従来特徴的と言われていた頭痛の発生頻度は53%と低く、発症様式や臨床経過も様々であったが,保存的治療のみで比較的良好な予後が得られた.MRのT1強調像における動脈壁内の高信号(intramural hematoma)の出現率は約30%であり,発症後1週目から3ヵ月の間に観察され,多くは経過観察で高信号が消失あるいは縮小した.造影後の3-D SPGR法におけるdouble lumenの出現率は88%であり,比較的長期間観察できた. 従って,椎骨・脳底動脈解離のMR所見として強調されていたT1強調像における動脈壁内の高信号所見はスクリーニング法として不十分である.診断には,3-D SPGR法と血管造影を組み合わせる必要があり,共同研究を実施する施設は限られる.また,椎骨・脳底動脈解離は後頭蓋窩におけるすべての血管傷害の原因となり得るが,全症例で血管造影の承諾が得られるわけではない.現在関連施設と共同で実施しているprospective studyでは,特徴的頭痛を有する例と後頭蓋窩の重症血管傷害例に絞っている.
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