1996 Fiscal Year Annual Research Report
SPECT画像血流情報を用いた生体内温度分布の高精度3次元逆推定
Project/Area Number |
08671008
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
松田 甚一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30029087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 和夫 長岡技術科学大学, 工学部, 講師 (80115104)
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Keywords | ハイパーサーミア / 体内温度分布推定 / コンピュータ・シミュレーション / X線CT画像 / SPECT画像 / 温度分布シミュレータ / 有限要素法 / 血流量 |
Research Abstract |
本研究では,コンピュータ・シミュレーション手法を用いて,臨床加温時の体内温度分布を非侵襲的にしかも高精度で3次元的に推定する方法の開発を目指した.以下に主な成果を示す. 1.SPECT画像の血流情報を利用した3次元温度分布の推定アルゴリズムの開発 まず,臨床的に撮像した複数枚のSPECT画像の2次元相対血流量分布を利用して,3次元温度分布を推定するアルゴリズムを開発した.そして,コンピュータ・シミュレーション手法を用いてファントムの3次元温度分布解析を行い,本アルゴリズムによれば,誤差約0.2℃以内で温度分布推定できる可能性のあることを確認した. 2.高速3次元温度分布シミュレータの開発 上述の体内温度分布推定アルゴリズムに基づき,現有の高速ワークステーション(IBM375システム)を用いて高速3次元温度分布推定用シミュレータを開発した.このシミュレータの温度分布計算部には,3次元有限要素法プログラム(MARC/MENTAT)を利用し,これに今回開発した血流量による冷却項を考慮したサブプログラムをリンクすることにより,3次元温度分布解析を可能とした.また,温度分布解析用のモデル作成部には,本補助金により導入した入出力端末カラーステーション(画像入出力装置,高性能パソコン)を用いて高速化した. 3.本システムの臨床的評価 新潟大学脳研究所脳神経科グループの協力を得て,脳腫瘍治療時の温度分布解析を行った.その結果,推定温度と実測温度との詳細な比較までには至らなかったが,本手法による誤差1℃以内での体内温度分布推定の可能性が確認でき,本シミュレータの臨床応用への見通しをつけることができた. 以上のことから,本研究目的をほぼ達成することができ,安全かつ効果的なハイパーサーミアの実施に対して大きく寄与できたものと考えている.
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